第81回 知らぬは飼い主ばかりなり

やっぱり旅はええよなー。いつもの景色がガラッと変わるのは、ワクワクする。
ワンコとの旅は、美味しいものを食べて、ホテルでゆっくりくつろぐ。それだけで充分。
冬の冷たい風が吹くと、足が拘縮して動かなくなる。その前にチビワンコともう一度…、
と、秋の京都に足を運んだ。
京都へは小1時間。若き日の夫との思い出の地でもある。あの頃奮発して買った、陶磁器や酒升や冷や飯を入れる桶やお数珠は、今も健在だ。コロナが出没する前は、京に誘われ四季に触れた。が、京都をよく知る友人ともご縁がなくなり、オーバーツーリズムの映像だけを目にすると、次第に足は遠のく。
「だいたい御用もないのに…」若い頃なら呟かなかった一言がため息とともに漏れる。
よし!ワンコと一緒にオーバーツーリズムも見に行こう。

チビワンコとの試練。「犬とまみえる」「犬を託す」ことも旅の目標にした。
いつもは、私とヘルパーさんやリハビリ屋さんなどの訪問者を待ちながら、ぐーたら過ごしている。人のお顔はよく覚え、人との関わり方はよく心得ておる。
が、犬と関わるのはいまいちな様子。本来ならば、犬たちとじゃれあって育つのがいいんだろうが、私の甲斐性ではひとりっこならぬ、ひとワンコが精いっぱい。たまに頑張ってドッグランやドッグカフェに連れて行く。が、「犬同士だからと言ってひとくくりにして仲良くできると思うなよ。そもそもあんたも、あたい以外のワンコにさほど興味もないやろ?はよ帰ろう」そんな表情でドッグカートに入ったままの時もある。
子育て同様・お友達なんて強制的に作るもんじゃない。しかも、出会ったばかりのお友達?と遊びなさいなんて言ったとて・・・だ。まあ、犬なつっこいワンコもそうじゃないワンコもいるものねー。と、いつの間にか飼い主も「犬にまみえさす」努力をしなくなった。
でもでも、飼い主が無駄だと思い、寒空の下でドッグランに立つ事をしなくなるとあかんのねー。
「あたいは犬には興味ござらんよー」さささーっと何食わぬ顔で通り過ぎていたこのチビワンコ「この世はあたいの天下」だと思ったのか、最近、散歩中にワンコとすれ違うと、吠えよる。ふーむ。困ったぞー。でも、まあ、せっかく犬に目覚めたんなら、ここらで思う存分犬とまみえさせてみよう!
と、選んだのは1階がドッグホテル(希望すれば犬を預けることもできるし、犬の美容室も併設されている)2階3階が一組ずつの客室。エレベーターは宿泊者だけ利用できるセキュリティも完備されたホテル。

ワンコをホテルのフロント兼シッターのお姉さんに託して、夜の石畳に足をつける。京路地で見上げる月がとってもきれいだ。知人とのリーズナブルな京懐石も旨かった。
帰ると「ほかのワンちゃんとも楽しそうにしていましたよ」お姉さんの腕に抱かれて、シャンプーしたてのふわふわワンコの得意げな顔。「あたいだってワンコと遊べるんだ、知らぬは飼い主ばかりなり」
就寝時は飼い主とホテルのベッドで過ごし、翌日はまた、ワンコとお姉さんとしっぽフリフリお見送り。

京旅行一泊の数日後には、紅葉から枯れ葉舞う景色。街並みと同時にチビワンコにも変化が!すれ違うワンコに吠えなくなった?少々無理してワンコの教育費につぎ込んだ飼い主の買いかぶりだろうか(笑)

 

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第1回 初めまして(2020年8月28日)

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福本千夏の本

障害マストゴーオン!
イースト・プレス

結婚、子育てと平凡で幸せに暮らしていたが、夫が癌になり死別する。絶望の中、主婦業を捨て就職するが・・・。
息子をはじめ、たくさんの人たちに支えられ、葛藤し、見つけた希望は・・・!?
脳性まひ者・福本千夏が挑む、革命的エッセイ! 

『千夏ちゃんが行く』
飛鳥新社

福本千夏さんの初めての本。
処女作とは思えないクオリティに編集さんが驚いたとか。
泣いて、笑って、恋をして。
一途、前向きに突っ走る!
清冽な生き方が胸を打つ、なにわのオカン、再生の物語。


 

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