第60回 家族の時間
いつも美しいとは限らない我が家にお寺さんをお招きするには、まず、片付けなきゃ!です。
2日かがりの断捨離は疲れました(笑)
父からのお布施カンパにより、夫の17回忌も無事完了。お家もスッキリ。
夫が逝った直後は、みな健脚で坂上のお寺通いもしていたんですけどね。崖のような階段を上がって納骨堂にたどり着けるのも、未熟者の息子だけになっちゃいました。
だから、ウーバー法要をお願いしたしだいです。
自宅以外の場所は混乱する母も、お寺より娘の家の方がよかろうと。
お寺での行動は予測不可能。まあ、家なら…「ふくちゃん、どこやー」と愛しの娘婿を泣かんばかりに探すぐらい。でも、ほんまに事起きると、やっぱりそう来たかーと息子も父もそっと横を向く始末。男はあかんねー。私も誰もいない時にこれをやられたらメンタルぐらぐら余力無し。
でも、ここ3か月ほど彼女の特性を少し研究。記憶が遠のく分、感情が豊かになると考えると、母は今悲しんでいるだけだと結論付けられる。
ここはご指名をうけたちぃーちゃんが付き合おう。悲しみはごまかすしかないのだ。「えっふくちゃんトイレにおらんかったか」といっしょにお家探検。「押し入れかー」「もーちなつええ加減なこと言うて。ふくちゃんは…」「そうや。おらんねん。婆ちゃんもわかってるねんな」涙目の母を椅子に落ち着かせる。
そこからはワンコがずっと母の膝に。あんた、ほんまにええこや。そんなワンコを叩いたらあかんわー。婆ちゃん。
犬は自分の身が安全な時は、その場の一番悲しい人に寄り添う。そうじゃない時は一番強い人のそばにいると聞いたことがある。
いつも耳にしないご住職のお勤めの間はずっと息子の膝の上にいたもの。
昼食後、久しく聞いてなかったお経を耳にして、早苗婆ちゃんはこっくらこんと気持ちよさげにしておりました。
婆ちゃんの大演説も始まることなく、住職がぴしっと終わりを閉め
「みなさん、それぞれに相棒(私にはワンコ 息子にはお嫁ちゃん)ができたようで、安堵しました。お父さんもどうぞ長生きしてくださいませ。お母さんはどうぞそのまま」と席を立つ。
この後の意外な展開。予測不可能だったのはじいちゃんでした。スマホで囲碁を楽しんでいるのは知っていたけど。まさか、孫と孫嫁からレクチャーをうけ、スマホで3人打ち麻雀大会が我が家にて繰り広げられようとは。
93歳の父が28歳の孫嫁と本気勝負。ロン!。ツーショットを思わずカメラに収めました。父のこの顔だけで17回忌してよかったー。って17回忌の写真この一枚だけやん(笑)
「爺ちゃん、楽しそうな顔して…帰ったら婆ちゃんに怒られへんか?」帰り際、孫から小声で問われ「忘れとる」と、さらりっ。
我が家の玄関が人で渋滞したのは何年ぶりだろう。リビングからみんなが去った玄関を眺めると、普段は感じない一人の寂しさが沸き立つ。が、次の瞬間、ワンコが畳の上で大量おしっこ?!
いつもお仏壇近くにあるトイレシートを移動させていたから、叱るわけにもいかない。あんたも我慢してたんな。
数日前には、しんどそうな声で法要の終了時間を聞いていたクソガキも、大人の男を演じ祖父母の送迎もし、母を気遣う様子もみせてくれました。やればできるやん。幼稚園児からの飛び級。あははは。
「ご家族さんが増えるのは賑やかでええことです。明広(夫)さんもお悦びかと」住職の言葉が心に落ちる。