第68回 ソーシャルディスタンスは大事(@_@)です
「冬休みを利用してフォトウェディングでもして来たら・・・」と背中を押してやりたくて、わずかではあるが、まだ渡してやれていない息子夫婦への結婚祝いが、次々と我が家のものに消えていく。浴室乾燥機のエラーナンバーは点滅させたまま、誤嚥予防に飲みこむ姿勢・座る姿勢を確保しやすい食卓とソファーを迎えちゃった。あーあ。
「ここからは俺ら二人でやっていく。結婚式も仲人も結納?もいらん」の言葉をうのみにして、母ちゃんは自分の快適さだけを求めて暮らしておる。息子よ、ひょっとして、あの時結納=結婚祝いだと知らなかった?一抹の不安が頭をよぎる。でも、長い人生、想定外の出来事に見舞われることもあるだろう。そんな時、そっと助けられる母ちゃんでいたいな。いられるかな(・・?
私たち親子は、互いの暮らしをそっと見守る、スープが冷める距離がちょうどいいのかもしれない。スープが冷めない距離は甘えが出てしまう。「近いのになんで来ないの?!」と恨み節を吐いてジ・エンドだ。
たまに会うから、可愛い息子夫婦。
最近では離れていても「お困りごと」を、しっかり者のお嫁さんに相談するようにもなった。
彼女は忖度も損得もなく、私の漏れ漏れボイスを理解しアドバイスをくれる。
その場その時に手を貸してくれるヘルパーさんは、日々の暮らしに欠かせない存在ではある。が、人生経験も判断力も損得勘定も人それぞれ。
お困りごとにより、料金を上乗せするゲスイ事業所には当たったことはないにせよ、 目の前にヘルパーさんがいるのに、手を借りることができないことはまれに起きる。が、これも「及ばざるは過ぎたるよりまされり」で、思いようである。
殺伐とした社会で生きる現代人はもろく壊れやすい。家族にせよ、他人にせよ、距離を保ってのお付き合い「ソーシャルディスタンス」が大事だとワンコとの暮らしで思うようになった。
ペットショップに並ぶワンコたちは、お尻フリフリ体モフモフの動くぬいぐるみだ。
が、そやつらは犬。人間と共に生活してきた歴史があったとしてもイヌ科イヌ属の犬。
犬は、家でトイレを覚えても、外でトイレは探すまい。見ず知らずの人からの頂き物も後先考えず食す。で、コロッ。子犬の頃はワンワン言うしカプカプ噛むし。一度完璧に覚えていたことも忘れちゃう。
最近、私、寝ていたワンコの前足を踏んだ瞬間、がぶがぶとやられました。二年ぶりに物申せぬ鋭い歯を持つものと暮らす怖さを痛感。
絶対に噛まないと思っていた飼い犬に手(足)をかまれたのは、誰の裏切りより辛かった。
「あんた大袈裟やな―。あたいも犬やねん。ごめんな。けどあの日、家具が変わって自分のにおいがなくなって、それでもやっとウトウトできた。と思ったらあんたの足がむぎゅーときた。びっくりして本性出てしもた」と新しいソファーのひじ掛けに顔を乗せている。
改めて、ソーシャルディスタンスって大事やな!