第62回 お家のお手入れするの?しないの?
20年前・最寄り駅にショッピングモールができた。その隣接マンション展示会場にふらっと立ち寄った。耳元で夫は、この日結婚して初めて貯蓄額を聞いた。「なっちゃん、すごい」と驚き、にこにこと微笑み、内助の功をほめちぎりながら、妻のへそくりをすべて剥がし…。
福本様ご契約の花リボンがついた。ここで五年ほど楽しんだ「福本家のお家探し」にピリオドが打たれた。
が、マンションも20年経つと、大きいものがポツンポツンと壊れていく。
まずは、ワンコを迎えた3年前、エアコンが唸った。お次は給湯器が怪しくなった。この二つはワンコと私の命に関わるので、財布の中身も確かめず買い替えた。
今年は寒さをしのぐのに、ボロボロの障子をアルミ紙に張り替えた。
夏前には玄関に網戸を付けたいと思い、予算を組んでいた。
そんな矢先、トイレのウォッシャブルが壊れた。わちゃー。
いつも、お尻にあたっていた温水が出なくなってかれこれ4ヶ月経つ。出ないのにボタンを押す。習慣って怖い(笑)。しかーし、昭和を生き抜いたおばちゃんはお尻に優しくないトイレにも慣れつつある。
実は、このトイレ文明、日本だけの物らしいのだ。加えて「お尻にお湯を当てすぎる」のは、反って菌の増殖になるともいう。トイレタンクの水(お湯)をノイズに通してお尻にあてる工程を考えると合点がいく。で、いつも隠れているトイレタンクを覗いたばっかりに「ウォッシュレット欲しい」熱が一気に冷めた。不潔な道具では清潔な尻は保てない。
用を足した後、水が流れぬわけじゃなし( ^ω^)・・・と最近ではワンコ専用ウェティタイプの紙で
「おかんもキレイキレイや」と言いながら尻を拭く。
「えらいもんみてもた」という顔で、ワンコは少し開いたトイレのドアから遠ざかる。
がははははー。
そういえば、生ごみを粉砕して、水と一緒に流してくれるディスポーザーも動かなくなって1年くらいになる。便利な機能が使えなくなると逆に不便さが増す。なにもついていないシンプルな台所なら、シンクに大きな△ゴミ箱を置くだけでいい。細かいゴミが落ちないように、排水口のネットを毎日取り換えることも不要だ。
たしか何年か前「次動かなくなった時は、本体からの交換なので10万円ぐらいになる」とか言っていたなー。
食洗器なんて数年でオブジェになってるし。うわっガスコンロ汚っ。
が、中身が薄い財布で、全面リフォームを思いめぐらせみても時間が経つだけだ。
このままでいいかっ。元来住居にあまり興味などなく、好きな夫さえいればどこでもよかったわけだし。
だけどさー福ちゃん(夫の愛称)。大事にしていた新築マンション。私、ワンコとすっかりうっかりボロ家にして、ごめんちゃいね。
でも、まあ、正解だったと思うんよ。
適度に体を動かさざるを得ない、私の後を物言わずついてくるワンコとの家族生活。ワンコは人みたいに企てや裏の顔なんてないと想うし。
「あんたがいれば、どこでもええねん。ぶぶふひっぶ」足元でいびきをかくワンコ。
えっ若い頃のお前に似てるって(・・?