第30回 女の子って…
前回初登場のワンコが気になるーとの声があり、今回は続きを…
(一部同人誌 季刊「しずく」からアレンジ転載)
ワンコとの一回目の朝は4時。トイレを済ませたら仲良く二度寝。
2ヶ月で迎えたトイプードル。最初は「えらいとこ、きてしもた」と言わんばかりに、カラスの鳴き声や救急車・ヘリコプター・ゴミ回収車の通過音に反応していた。
今はインターフォーンがなると元気よく知らせるだけ。きっとこやつは、おやつひとつでその大役を放棄するだろうが、ちっちゃい番犬?になった。
日中はリビングを陣取る。
片時も私のそばを離れようとしなかったのに、気づくと、自分のペースで生きている。
「母ちゃん、おしっこ行くだけ」と言うと「どうぞご勝手に」と冬の陽だまりの中にいる。
「お風呂・バスタイム」とワンコの前で脱ぎ始めると「もーええから、待ってる間のあたいのガム置いてって。けちらんのよ。高いほうのやつね」と要求。
気になって裸のまま、そぉーっと覗くと、私のソファーでワンコ用ガムをカミカミ。まるで主(* ´艸`)
人の顔も一通り覚えたのか、遊んでくれるお馴染みさんには、甘えた声を出すようにもなった。その生き方上手、見習わなきゃね。飼い主譲りといわれるけれど、わたしゃまだまだ修行不足。こいつには絶対勝てん。一応私にも、毎朝、礼をつくしたご挨拶をしてくれる。けれど、うつらうつらのお顔に近づくと「もー」と背けられることも。
昨日なんて・・・。
昼寝から目覚めて、私を確認するや否や黙って玄関の方にトトトトと小走りしたがな。私、「おーい家出か」って追いそうになった。
チーズケーキを盗み食いしたり、おもちゃのタグをごっくんしちゃったり、青ざめることも多々あるけれど、大きなアクシデントもなく春には一歳になります。
その前に、目下お悩み中の避妊手術と抜けない犬歯の抜歯という試練があるんだけどね。
強く優しく生き抜いて、生き延びて、誕生日からの七五三といきましょー。
初めて迎えた女の子。ブラッシング時には「きれいきれい」なんて言っちゃう。ははは。おもちゃもベッドも赤かピンクを選びがちでお目めちかちか。ハロウィンには息子とはできなかったペアルック・白のマリン風セーターでワンコとポージング。うふふふ。「女の子は…女の子となら…」って言い方は確かにおかしいんだけどね。
あっ日曜日は要注意。女の子にとり囲まれる。ワンコと私はビビって動けぬぅ(笑)
「お名前は?」「何歳?」に始まり「ワンちゃんのお鼻の形はなんでそんななの」「お手はお手」とキャキャキャッ。
〇階〇年生〇ちゃんとの接点なんて私、一人暮らしなら絶対になかったよ。マンションの外回りぐるり一周の大冒険・冬の強風につき、私たちはお休みすることも多くなった。でも、こどもたちが遊ぶ声は10階まで毎日届く。あれーいつの間にか、こどもの声も平気になってる。「女の子って…だね」爆睡するワンコに話しかける。