伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第48回 木星と土星が接近すると

今日(2020年12月21日)と明日の日没後には、南西の空をよおく見よう、と思っている。
木星と土星の「超大接近」を見ることができるのだ。
この2つの惑星は、約20年ごとにうんと接近して見えるのだが、特に今期は1623年7月以来の超大接近。なんと397年ぶりのこと。次にこれほどの接近が見られるのは60年後だ。
と国立天文台のサイトに書いてあった。星にはあまり興味がない。きれいだな、と月や星々のありように感動することはよくあるけれど、わざわざ観察するほどの気はない。
でも次は60年後なのだ。どうがんばっても見られそうにない。さいわい、うちからは南西の空が開けている。苦労なく見られそうだから、見ておこう、と思うわけ。

そこから壮大な宇宙へと考えがいかないのは、私がミミッチイからだろうか。それとも時代が悪いのか。つい考えてしまうのだ。
「木星と土星の大接近。もしかするとこれが新型コロナウイルスを呼んだのかもしれないな。昔から星の動きと災害は関係がある、というから。そういえば、このごろの気候はへんだ。それにここ数日、東伊豆でも体に感じる地震が連発している。新型コロナは収まるどころか、ヨーロッパではそのまた新種が現れたとかで、各国、緊張しているし」
なにもかも木星と土星の接近が原因なら、コトは簡単なのだけれど。

まったく今年は新型コロナウイルスに始まり、新型コロナウイルスに牛耳られた年でしたね。そして新型コロナウイルスで暮れようとしている。
この事態の不気味さは、ウイルスそのものにあるのではない。ニュースによる限り、日本を含む全世界の国々がこの伝染病におびやかされている。それなのに、私の周辺には危機を感じさせるものが見当たらない、そのギャップが不気味なのだ。
読者諸姉諸兄の多くも似たようなものだと思うが、知り合いにはこの疫病にかかったひとがいない。もちろん死んだひともいない。唯一の例外は志村けんさんだが、さほど身近な知人ではなかった。医療関係者ではないから疫病の実態を目の当たりにする機会はないし、疫病に収入を左右されるシゴトではなく、おまけに山上暮らしなので、この間もヒマな老人の生活に変化はない。
つまり遠いコトなのである。それなのに情報が多いおかげで、感染しないさせない意識は旺盛、ちょっとセキが出たりすると、コロナの三文字が蚊のように頭のまわりを飛び回る。
つまり原因不明の不安に取り囲まれている感じなのだ。これぞ社会不安というやつではあるまいか。
それでも年は暮れ新年が始まる。星が決めたわけではない、人間自身が作り出した暦によって。
さてみなさん、来週は休載。1月6日からまたしゃしゃり出てまいります。おたがい無事に年を越しましょうぞ!

伊豆新聞に連載中 その598 (2020年12月23日掲載)


ほこりだらけの我が双眼鏡


第47回 青空に白く光る
第46回 ガスレンジ新式?!
第45回 薬局の娘が……
第44回 転々流転の姓ながら
第43回 よろしうおたのもうします
第42回 奇っ怪!アメリカ式選挙
第41回 老いてなおハツラツ?
第40回 どうしてる?労働者諸君!
第39回 ひさびさの博士
第38回 タレント事務所に電話してみた
第37回 コロナと3大統領
第36回 不安なゴマカシ日本語
第35回 このごろの自殺
第34回 元子役の意見
第33回 今こそラジオ体操!
第32回 爺さんは婆さんだった
第31回 LGBTQ+
第30回 学歴詐称
第29回 嬉し恐ろし初体験
第28回 趣味はカネ儲け?
第27回 『雨』を歌えば
第26回 ツッパルことが男の……
第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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