伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第20回 昔「広告屋」今アドマン

最初の20年ほどは中から、そのあとの40年あまりは外から、芸能界を見てきたが、その変動たるや、すごいものがある。
大きなところでは、テレビ芸能の地位がガアンと上がった。昔、テレビに出る役者は二流三流、舞台の芝居が役者の本流。子役ですらしっかりその価値観を持っていたものだ。
それが見る見るうちに変わった。テレビに出るのが一流になった。役者のみならず、誰でも彼でもテレビで演技したり司会したり喜んでバラエティ番組に出たりするようになり、みんなまとめて「タレント」と呼ばれるようになった。
それにつれてCMの価値が上がった。昔はマトモな役者と見られたいなら、CMには出ないのが正しい芸道だった。でも今や役者のみならず誰でも彼でもCMに出る。これには広告会社の台頭がおおいに影響しているだろう。

昔、宣伝広告はいわばイヤシイシゴトだった。それが電通という会社が一流企業に育つにつれて、変わった。子役のころシゴトをしていた電通は、ほんとうに中小企業といった感じで、子役をアヤシて演出するのも電通のお兄ちゃん。みんな庶民的なひとたちだった、と覚えている。今の電通のひとびととは付き合いがないけれども、政治をも左右するほどの力を持つひとびとらしいから、いずれ恐ろしいほどスマートなビジネスマンで、子役をアヤシたりはしないに違いない。なにしろ昔「広告屋」、今はアドマンなのだ。
宣伝広告が大金を左右するビジネスへと成長するにつれて、広告技術者の一群が、これもまたどんどん上等になっていった。昔、特別な呼び名さえ無かった彼らが、あるいはイラストレイター、あるいはコピーライターとなり、優れた者は多方面で活躍して有名人となり、今や若者憧れのシゴトだ。

そうそう、アドマンの力が大きく変えたもののひとつに、芸名がある。子役のころ「千夏は芸名か」とよく聞かれた。本名だと答えると珍しがられたものだ。今の子どもたちの名ときたら、思わず「芸名か?」と聞きたくなるようなのばかり。芸名はなおのことで、会社またはチームがアド精神をふるって付けている。今や「つんく」はもちろん、句読点付きの「モーニング娘。」や「藤岡弘、」には私も驚かない。
しかし「きゃりーぱみゅぱみゅ」を初めて知った時はびっくりしたなあ。誰も発音できないような芸名つけてどうする?! そういえば最近、このひとのツイッターでの反体制的な発言が大きな騒ぎになった。女性歌手の政治的発言をバカにしたような投稿やそのまた反論が大量に流れたらしい。
ツイッターは今やアベ氏やトランプ氏までが利用していてマスコミを騒がせる。でも、実のところ誰が代打しているか、全くわからない。その多くはなんらかのアド・グループの作品に違いない。
いかにも有名人とジカに接することができるみたいなツイッターなんぞも、実は見せかけ。そう私は見てるんですけどね。

伊豆新聞に連載中 その570(2020年6月3日掲載)


大阪のかまぼこ屋かねてつのTVCMで商標てっちゃんを演じた小学生の私。
その宣伝ハガキなり。顔で笑って心でぷんぷん(笑)


第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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