伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第17回 ただいま!雑記復活!

ただいま!雑記、復活です!
読者のみなさん、いかがお過ごしでしたか? 当方は、週一回の締切がないと、こんなにも一週間が長いのか、とびっくりもし、のんびりもした2週間でした。
私のようなヤクザな人間でもそんな具合に生活の異変を感じるのだから、平時、きちんとした生活を送っているみなさんは、良かれ悪しかれ大いなる異変を味わっておられるのだろうなあ。身の危険に直面している罹患者と医療従事者、適切な検査や医療も受けられないままかつてない経済危機に直面しているたくさんの友人知人顔見知りを思うと、口先オンナの筆先も重く鈍る。
でもでも、こんな時こそ口先オンナの上げる花火が、一瞬といえども世を照らすのだ、と気を取り直してパソコンに向かっております。やれやれ。

それにしても新型コロナ恐るべし! この月曜までに感染症による死者が世界で28万人を超えたそうだ(ジュネーブ共同、5月11日配信による)。その大半が医療も経済も最先端を突っ走ってきた欧米の都市。人類の繁栄に対する皮肉としか思えない。
ヒマにあかせて観察すると、それぞれお国柄が見える。英国は誇り高きナイト式、米国は西部劇のガンマン式でウイルスと戦っている。中国は言うまでもなく一党独裁式。さて日本は、といえば、さしずめ明治維新式であろうか。
まるで出来たての国のように政府の仕組みが整っておらず、科学的な姿勢も力量も欠けており、ひたすら欧米に追随し、農工商はできるだけカヤの外に置いて、武士だけが難局を切り抜ける構え。
言葉までもが明治維新を彷彿させる。進歩的な明治初期の日本人は、英語を学び、それをさかんに漢語に置き換えた。それまでは漢語すなわち中国語と、それで語られる思想や医学が教養だったので、英語による教養を表現するにも、中国語を通すしかなかったのだろう。漢語への翻訳がよほど困難だったりすると、原語のままを使った。日本式の発音とカタカナで。やがて中国より米英の教養をおもんずるようになると、原語のままを使うようになって今日にいたる。

おかげで最近、日本の年寄りには覚えなければならない言葉がやたらに増えた。特にこの間は忙しい。パンデミックとコロナウイルスをやっと覚えたと思ったら、PCR検査やらドライブスルー式検査でしょ、ソーシャルディスタンスをやっと言えるようになったら、今後はフィジカルディスタンスに言い換えるなんてWHOが言い出すし。
厚労省は厚労省で「3密」なる言葉を発明した。内容は欧米が提唱するディスタンスなんだけど、独自性を出したかったんでしょ、密集、密閉、密接の3密を避けるよう、われらに呼びかけている。もしや電通が考えたんじゃあるまいな? ま、それもいいけど、欧米ではもっと多くが簡単にPCR検査を受けている。呼びかけなら口先オンナにでもできるので、国はぜひ検査体制を充実させてよ。

伊豆新聞に連載中 その567 (2020年5月13日掲載)


ダイダイの花さいた


第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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