伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第33回 今こそラジオ体操!

寝ている間ずっと雨音。起きてみたらまだ雨(9月7日)。
急に照ったり降ったり、いかにも台風10号の余波らしい天候。九州周辺ほどではなくても、このあたりでも何かと被害があるのではなかろうか。
読者のみなさん、台風お見舞い申し上げます。と言いながら、相変わらずののんき節を書こうとしている。めんぼくない。
さて。今でもテレビではやっているようだが、小学校などではやっているのかしら? ラジオ体操というやつ。
60年あまり昔の小学校では、毎朝やっていた。私がいたのは大阪、布施市(今は東大阪市の一部)の小学校だったけれど、どこでも毎朝やっていただろう。同年輩はみんな、覚えているから。
「第1と第2があったな」「そそ、第1は、チャンチャカチャンチャンって、こうね」「第2はこうよ」
みんなよく覚えている。私は子役やってて遅刻が多かったせいか、第2はよく覚えていない。夏休みやなんかの町内でのラジオ体操にも、あまり出た覚えがない。
それでも第1はしっかり覚えているのだから、幼い頃の「叩き込み」は効果が高い。コトが体操でよかった、軍事訓練なんかじゃなくて。

いや、話したかったのはそんなことではない。
子供の頃、実はラジオ体操をバカにしていた。深呼吸、体の曲げ伸ばし、飛び跳ね、どれをやっても少しも効いている感じが無い。なるべく大きく、先生たちが示すとおりにやってみても、どこのスジも筋肉も伸びたり跳ねたりしている感じがしない。
これじゃかくれんぼや縄跳びで遊んでいるのと変わらないではないか。体操、というからにはもう少し体がキツくなけりゃ、役に立たないだろうに。これは体操ではない。ではナンなのだ? そんなことを思いながら、手足を動かしていた。
それから半世紀ほど後のこと。ふと見たテレビで懐かしの第1をやっていた。ほほう、最近は腰掛けバージョンもあるのか、さすが高齢化社会だな、どれ、ひさしぶりにやってみるか……やってみて驚いた。

この体操、まさしく体操なのだ。そこそこにキツイ。骨や筋肉がきしむ部分もある。クラっとして、椅子に掛けたくなることもある。お手本の、はつらつとしたお姉さんたちのようには、とても動けない。これは立派な体操だ。これをバカにしたかつての私は、まさにモノを知らない若輩であった。
ラジオ体操第1は、かくれんぼも縄跳びもしない、マラソンもゴルフもしない、決まりきった日常生活とシゴトの動きだけしている人間のカラダにとっては、実に効果的な体操なのだった。
普通のオトナは肉体を鍛えるのにカネと時間をかける必要はない、ラジオ体操だけで充分だ。うん、今こそ毎日やろう! とは思いつつ、やっぱりやらずに雨を眺めているばかり。

伊豆新聞に連載中 その583 (2020年9月9日掲載)


雨に濡れる花盛りのクサギ


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第22回 トランプ的思い上がり?
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第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
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第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
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第1回 新年につきごあいさつをば

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