伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第28回 趣味はカネ儲け?

タレントをしていたものだから、テレビを見ると、どうしても制作関係を想像してしまう。
このタレントのプロダクションとこのテレビ局とは、ただならぬ仲に違いない、とか。このドラマには主演者の意見がかなり生かされているな、とか。このニャンコのギャラはいくらだろう、このシロウトさん実は売れてないタレントじゃないの、とか。
それで、TVCMの量とその商品の価値とは、まさしく反比例する、と信じている。電波料とCM制作費がかかったからといって、その分、まるまる価格に乗せるわけにはいかない。となれば、商品の開発費や材料費や製造費を削ることになる。
だから広告宣伝費が大きいにもかかわらず安い商品は、見かけよりずっと粗悪な製品だと見て間違いない。

そんなわけで、もし私に過払い金があったとしても、東京ミネルヴァ法律事務所に相談することは、ぜったいになかっただろう。今、問題になっているこの事務所、依頼人に戻すべき過払い金の大半を使い込み、その大部分はTVCMに流用したそうだ。ヒカリという事務所にも相談しない。BSでのTVCMの量が半端でないから。2017年にやはり過払い金で問題を起こしたアディーレという事務所も、テレビCMについては知らないけれども、代表者が宣伝に熱心、自らもTVタレントとして活躍していた。過払い金徴収という「商品」は、このひとが開発したものらしい。
昔「ボク、カネ儲けしたいなあ、カネ儲けは楽しいよ」と顔を輝かせて言う青年に会ったことがある。私はびっくりした。カネ儲けは多少ともしなければならないものであって、それ自体が楽しいと思ったことがなかったからだ。そうか、「カネ儲けが楽しい」という感性のひともいるのだな、と目が覚める思いだった。

以来、イノチよりカネの所業を見ても悩まなくなった。人間、楽しみのためにはイノチも顧みないものである。ただ、喫煙飲酒ヤク賭博などなどの楽しみ以上に、カネ儲けの楽しみはハタメイワクだ。だからそれらの規制以上の規制が、カネ儲けには必要だろう。
とりあえず「商品」扱いしてはならないものを決めるべきでは? そう、弁護活動と義援金集めのTVCMは禁止する。いかが? 過払い金も義援金も商品ではありえない。ユニセフなどへの寄付をうながす凝りまくったTVCMを見るたびに思う。制作費用はいくらだろう、広告代理店にいくら払ったのだろう、それとも電波料もふくめて全部タダ、スタッフもボランティアなのだろうか、と。
日本の宝くじはひどく配当金が悪いそうだ。クニがまずがっぽり取るからだ、と怒っているひとがたくさんいる。そのうえにあの射幸心メチャあおりのTVCM! 有名タレントのギャラだけだって莫大だろう。
ふうむ、もしかしたらあるのかもしれないな、「射幸心をあおる楽しみ」というやつが。

伊豆新聞に連載中 その578 (2020年7月30日掲載)


晴れ間のジギタリス(庭で 7月26日)


第27回 『雨』を歌えば
第26回 ツッパルことが男の……
第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

HOME