伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第26回 ツッパルことが男の……

見て見て、私も「手作りマスク」持ってます! どれも友だちが送ってくれたの。
半分は、なんとウーマンリブで知り合った「戦友」から。まだマスクが店頭に少ない頃、送ってくれた。彼女も友だちから貰って、そのお裾分けだって。
もう半分はダイビング仲間から。こんな時節にはみんな変わったことをするようで。彼女、およそ針仕事からは遠いひとだったんだけど、何十年ぶりかで縫い物したんですって。
どれも友情がこもっていてイイ感じ。使い心地はまだわからない。もう何ヶ月も人中に出る機会がないんだもの。まだ当分、このヒキコモリ体制は続くだろう。危惧したとおり経済優先政策が、またウイルスを元気づけているみたいだから。

マスクといえば、アメリカ大統領のトランプさんが、最近、初めてマスク姿をひと目にさらしたそうで(7月11日)。マスク、大嫌いだったのにね。軍の医療施設を見学する機会に「変節」した。負けず劣らずマスク嫌いで有名だったブラジルのボルソナロ大統領も、マスクして記者会見することになった(9日)。こちらは自身が検査で陽性とわかったのをキッカケに。
私はツッパリが好きだ。集団暴力はむろん嫌いだが、自分の流儀を押し通すツッパリ精神が好き。ツッパリを「男の勲章」と歌うコメディ・ドラマ『今日から俺は!』は面白い。そのなかでツッパってる兄ちゃんも、負けず劣らずツッパっているスケバンもそぞろ可愛く、どこか悲しいところがいい。
でもそれが一国の長となると具合が悪い。トランプさんもボルソナロさんもツッパリ体質で、ウイルスの脅威を軽く見るのが男の勲章と心得ている。そう見える。予防などオンナコドモのするこった、とばかり、そのテの法案にはすべて抵抗してきた。

だから今、アメリカ合州国と連邦共和制国家ブラジルは、新型コロナ罹患者数および死者数の世界1位2位を競っている……のだと私は思っている。そして富裕なふたりは生き残り、貧困層やアマゾンの少数民族がバタバタと倒れている。
写真でご両人のマスク姿を見て、やっぱりツッパリだ、と感動した。見間違いでなければ、ボルソナロさんのは真っ白平面のド真ん中にカッコヨク笑顔で構えた自分の写真が印刷されている。トランプさんのは立体作り真っ黒の片隅に、どこかの組の代紋みたいなマークが! 大統領府のマークだそうです。いずれもツッパリ中学生が好みそうなマスクじゃないですか。
そういえば日本の罹患数の少なさに世界の学者が首を傾げて、原因は生活習慣か免疫かなどいろいろ言っている。私はマスクに違いないと思うな。欧米人には異様らしいが、アベさんからシモジモまで抵抗なくマスク。いわばツッパリっ気のなさからくる対マスク無抵抗文化ね。ツッパリっ気がないのにも多々問題はあるけれど、ことコロナ対策に限っては、これが幸いしてるんじゃないでしょか?

伊豆新聞に連載中 その576 (2020年7月15日掲載)


友から届いた手作りマスク


第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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