伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第5回 マスクが消えた?!

よくお出かけする家人の報告によると、伊東の街のスーパーや薬品量販店から、マスクが消えているそうだ。もちろん、いつもより大量に店頭には並ぶんだけれど、たちまち売れてしまうとか。
東京、国立市のとある店では、何事かとびっくりするほど通路に人の列ができていて、先頭の前にはマスクの山があった。たちまちその山は消え、人の列は残る。すると店員が新しくマスクの詰まったダンボール箱を運んでくる。

そんな報告といっしょに、家人も一束、マスクを買い込んできた。もっとも彼女のマスク使用は、コロナウイルスの騒ぎによるものではない。ずいぶん前から愛用している。人中に出る時は必ず使っている。私にも勧める。
メンドウなのでめったに従わなかったのだけれど、フクシマ原発事故をキッカケに、電車に乗ったりする時には使うようになった。去年の正月、家人が持って帰ったインフルに、生まれて初めてかかって、いやあ、懲りた。以来、マスクに頼ることが多くなっている。効果については半信半疑、気休めだ。予防接種は好かないので私はしない。家人に一任してある。
今度、彼女が買ってきたマスクは珍しい。材質や作りはこれまでと同じ、使い捨てのものなのだが、色がほんのり桜色。特に効用はないらしい。あまりに売れてほくほくしたマスク屋さんが、はしゃいで作ったのかしらん。

いや、しかし、今やマスクも近隣諸国からの輸入に頼っているそうではないか。中国製だったりして。マスクに限らず中国からのモノは多い。ひとについては中国からの入国に神経を尖らせたり、そのわりにチャーター機を仕立てて中国からひとを連れ帰ったり、いろいろやっているみたいだが、モノについてはどうなのだろう?
コロナウイルス属コロナウイルス亜科ベータコロナウイルス属の2019新型コロナウイルス、というのが、昨年末から世界を騒がせている肺炎を引き起こすウイルスだそうだ。無症状から死に至るまで、と症状のハバが広い。
こう見ると研究が進んでいるようだが、ほとんどなにもわかっていない。世界中の学者が退治の方法に悩み、世界中の製薬会社が予防薬治療薬の開発を競い、世界中の政府が政権の危機を感じて慌て、そのせいで実情の公表がぎくしゃくして世界中のマスコミが騒ぎ、世界中のマスク製造業者が大忙しになっている。

そして私らはマスクをし、なるべく人中に出ず、もし出たら、帰宅後、急いでよく手を洗い、やられたら対症療法しかない。
コロナウイルス亜科には4つのヒトコロナウイルスが分類されている。それがすべて「風邪の病原体」だという。また2019年新型とは別に、SARSコロナウイルス(重症急性呼吸器症候群の病原体)、MERSコロナウイルス(中東呼吸器症候群の病原体)がある。
つまるところ、人間、風邪の類を根本から克服することはできないのですな。

伊豆新聞に連載中 その555(2020年2月5日掲載)


「腹は出してもマスクはするよ」

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