伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第15回 DT方式?!

あのね、最近、畑をやってるんですけどね、肥料でもタネの蒔き方でもキッチリやらない。生産業じゃないのでテキトーにやっている。このやり方を今風に名付けてDT方式。すなわちダイタイ方式。万事、大体でやっている。
ところでCOVID−19すなわち新型コロナウイルスに対する日本政府の対策。なんかよくわからない。緊急事態宣言を東京、大阪ほか7都府県に限って発令した。専門家が会議して決めたというけれど、7都府県に限ったその基準がよくわからない。もっと多くの都市、いや全国に発令したほうが効果的だろう。
また、その7都府県に対して「ひとと接触する機会を8割減らすよう」呼びかけた、とニュースが言っている。わからんなあ、どうして7割でも9割でもなくて8割なの? そもそもひととの接触を数量で把握するのは至難の技だ。私は昨日、ふたり、いや3人と2メートル以内で話をしたけれど、その8割を減らせと言われてもなあ…とひねったアタマに、そうか、これはDT方式なのだ、とひらめいた。

言うまでもなく野菜は生き物だ。モノ、生産物として扱う方法もあるけれど、生き物として扱うと、どうしてもDT方式になる。ウイルスも生き物なら国民も生き物だ。だから政府もDT方式をとるしかないのだろう。ただし不完全型。
今の状況をたとえてみれば、国土は畑、政府はお百姓、ひとびとは野菜、新型ウイルスは野菜を喰う毛虫、それも毎年のように大量発生するマイマイガの幼虫みたいなタチの悪いやつだ。毛虫には有効な殺虫剤や開発された防御策がある。だからDT方式でも十分、毛虫を追い払える。
いっぽう新型ウイルスは、有効な薬品も防御策もいまだ研究中。おまけにやっかいなことに政府というお百姓は、野菜が元気に育つことだけが目的ではない。害虫に対して打つ手が無くても、いかにも日夜効果的に駆除しています、と畑の内外にアピールしなければならないサガである。そこでいかにも有効策のラップにくるんでその実DT方式をひけらかすことになる。結果、逃げることもできないわれら野菜は、怯えながら立っているしかない。

しかし! 思い出そう、私たちは野菜ではない。人間だ。十把一絡げの8割でも7割でもない。ひとりひとりが10割の人間だ。政府の疑似DT方式に足をとられず、自分たちの健康は自分たちで守るのだ! と鼻息荒く、まずはテキの正体を少しでも知ろうと、いろいろ記事を読んでいるのですが。
知れば知るほどこのCOVID−19、やっかいな代物だ。その遺伝子の型(1本鎖)からRNA型ウイルスに分類されているが、この型のウイルスは変異も増殖も激しいという。あの悪名高いSARSがこの型だ。もしやCOVID−19はSARSの残党が変異したものではないか、と私は疑っている。さもなければ地球外生物かも!
ああ高校の時、生物の授業をもっと熱心に受けておけばよかった。

伊豆新聞に連載中 その565 (2020年4月15日掲載)


わがDT方式の畑

第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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