伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第11回 ウイルスまくひとカネまくひと

恐縮ながらまた新型コロナの話です。というか、こんなひといるの!? と驚いた話。
3月4日、蒲郡市のある男子(仮にA男と呼んでおこう)が、新型コロナに感染している、と診断された。すると彼は家族に宣言したそうだ、「ウイルスばらまいてやる」。そして女子接客員がはべる酒場に出向いて、1女子を指名し、当然ながら至近距離で談笑し、カラオケし、30分以上も遊んだ。
案の定、接客員のひとりが4日後に発熱。なおらないので検査を受けたら、新型コロナだった。怒った酒場の主人が警察に被害届を出したそうだ。(東海テレビ発信)
この男子、少年ではなく青年でもなく、レッキとした大人。50代男性だというから驚いた。死ぬ、と思ってヤケになったのかしら。それに今は、なんの仕事でも学業でも、新型コロナの影響で立ち行かなくなっている。そのうえに自分が感染しちゃったから、ヤケが何倍にもなったのかもしれない。

もうひとつ驚くのは、この男子に感染させられたのが、指名されてずっとそばにいた女子(仮にA子)ではなかったことだ。
店の防犯カメラの録画を見た記者によると、A男は開店前に店に入り、ひとり適当な場所のソファに着いて2分ほどしてから、A子を指名し、別の席に移動。そのあと、そのソファに座って30分ばかりひとりですごした別の接客員、B子が感染したのだ。
防犯カメラに見る限り、B子とA男は接触していない。接近もしていない。
恐るべし新型コロナウイルス2019年型! 感染力もさることながら、その得体の知れない感染のしかた! これでは、たとえば電車で、他人が立ち去ったあとの座席に座ることも、感染の恐れあり、ということになる。
現代医学がこのウイルスの性質を解明するまでは、まともな感染防止策も立てられない。だから世界中の総理、首相、主席、王様は国境閉鎖や休校や町全体隔離などヤケクソのような策しか、打つ手がないのだろう。

それにしても政治はエグイ。世界中が大騒ぎだ。騒ぎに乗じて、ウチでも政府のツルの一声で国民の自由を制限できる法律(改正新型インフルエンザ等対策特別措置法)が成立したし。ひとびとのいのちより我がカネ、の風潮は、この期に及んでも薄まらないし。
騒ぎの初期に、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が中国の対応策を称賛するコメントを出した。その後、中国が、約21億円をWHOに寄付したので、世界のマスコミは、この寄付は称賛コメントへのお礼だろう、と勘ぐった。すると今度はテドロスさん、13日の記者会見で「安倍晋三首相自らが先頭にたっての日本の」新型コロナ対策を褒めちぎった。WHOが加盟国の首脳の個人名を出して称賛する例はほとんどないことだそうな。同日、日本はWHOに約175億円の寄付をしている。
それとは別にアベさんがテドロスさんを接待した、かどうかは私、知りません。

伊豆新聞に連載中 その561(2020年3月18日掲載)


見通しつかない空

第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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