伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。今年からたっぷり転載していきます。
 
 
 

第10回 せまりくる不気味

やっと事件の輪郭が見えてきた気がする。よくまとまった記事にぶつかったおかげだ。
BBC(英国放送協会)ニュースジャパン、3月7日付の記事〈新型コロナウイルス感染者、約10万人に 欧州でも感染者・死者増える〉を読むと、今、世界はとてつもない怪物に襲われているのだ、と身が引き締まる。
記事によると、6日、WHO(世界保健機関)は、感染者数が10万人に近づいたと発表し、〈各国政府に感染拡大の防止対策を「最優先課題」にするよう求めた〉。
ウチらでは、内閣の求めに応じて2日から全国小中高校の臨時休校が始まっている。6日に死者数49人を数え、総死者数197人に達したイタリアでは、すでに4日、国内すべての学校を休校にする、と発表した。会衆の多い施設や儀式、イベントについては罰則付きの禁止、と厳しい措置だ。

〈国連はこのほど、各国で続く休校によって、世界で2億9000万人以上の生徒・学生が影響を受けていると発表した。
国内で一律休校の措置が取られているのは、イタリアや日本を含め14カ国。フランスのように地域限定の休校措置は、イギリスなど13カ国で行われている〉。
そう聞くと、おっとり刀の思いつきみたいに見えたウチの親方の采配も、世界に歩調をあわせてのことだったのだな、とややほっとする。だがそれは、文明先進国である欧米でも、休校や集会自粛くらいしか打つ手がないのか、というガクゼンと背中合わせだ。

〈一方で、複数のメディアや研究機関は独自集計で、すでに(感染者数)10万人を超えたとしている〉。
新型コロナ騒ぎの不気味さは、この〈一方で〉があることだ。つまり、感染の実態について、権威ある機関や国などの正式発表とは異なる数値をいろいろなメディアが掴んでいる。それもこの記事のようにアチラとコチラの違いが明らかにされているのならまだしも、大半はうやむやのままなので不気味がつのる。
この記事に付いている図〈中国以外の新型コロナウイルス感染者数〉(出典WHO、各国保健当局。6日のデータ)も眺めていると不気味になる。
各国感染者数を1〜10、11〜100などと色で塗り分けてあるのだが、「感染者未確認」の灰色が多い。「1,000超」の葡萄色は、日本(クルーズ船の人数含む)、韓国、イラン、イタリアだ。

ううむ、この離れた小さな国々にはどんな共通点が? と考える元にできるほど正確なデータではないかも? はて、中国除外はなにを意味するの? そもそもこの前代未聞のウイルス、どこから来たの、どこでどう生まれたの?
と唸っていたら、水道屋さんが顔を出した。自治会の道路の水漏れを修理に来てくれたのだ、が、ややっ、マスクをしている! 風邪気味だ、帰りに医者に行く、と言い残して去った。ああ、どうかご無事で。伊東市の新型コロナ第1号にならないで!

伊豆新聞に連載中 その560 (2020年3月11日掲載)

第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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