あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第68

■オンナもオトコも■

佐古和枝(在日山陰人)

あれ?千夏さんとこの病院の介護は、女性だけなんですか?うちの父が入っている病院は、かなりの数の男性介護士さんがいます。うちの父は、ボケてからお風呂が大嫌いになっていて、男性が2人がかりで、嫌がる父をお風呂にいれてくれています。
ある日、父を訪ねて行ったら、認知症の男性患者さんが激昂して暴れていました。そりゃもう恐ろしくて、近寄れないほど。その時、男性の介護士さん達が、殴られたり蹴られたりしながら、抱えるようにして・・・っていうか力づくで(^_^;)病室に連れていきました。ああいう場合は、やっぱり男性の出番ですよね。動かない、または動けない人のお世話など、介護には力仕事がけっこうあるから、女性だけでは酷だなぁと思います。
でもね。笑ってしまうのは、わが父ちゃん。男性の介護士さんには、みょうに突っ張ってるんですね。オトコ同士が向きあう時の戦闘体制の本能が残っているのかなぁ。そして、女性の介護士さんには、満面の笑顔で愛想のいい爺ちゃんになっています(^_^;)そんな父をみていると、ほのぼのと微笑ましくてね。ボケる前は、女性に対して決して愛想のいい人じゃなかったんですよ。それでも、やっぱり生物の本能として、女性は男性を、男性は女性を幸せな心地にさせるってことなのかなって。

かといって、女性の介護士さんがいくら優しくお風呂に誘っても、ガンとして聞かないんですよ。男性の介護士さんから少し厳しく言ってもらうと、しぶしぶ従っているようです。
だから、やっぱり男女協働参画! オンナは愛嬌、オトコは腕力(^_^;)という役割分担が必要であって、けっしてオンナだけに任せていい仕事ではないでしょう。
それにつけても、介護というのは大変な仕事ですよね。家族ならまだしも、他人様がよくここまで面倒みてくださると、頭の下がる思いです。そう言ったら、「身内じゃないからできるんですよ。自分の家族には、なかなかできないものです」と介護士さんが照れくさそうな複雑な笑顔でポツリ。
だから、やっぱり家族だけで面倒をみるというのじゃなくて、みんなで助けあって、みんなで面倒みあっていくような社会にしていかなきゃって思う今日この頃です。

 ツクバネウツギ