あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第67回

■思うところその2■

中山千夏(在日伊豆半島人)

>こういう状況になって、サコは母とも父とも友達になれた気がします。

わかる、わかる。
あたふたすることって、必ずなにかを関係者にもたらしてくれる。

古代からはちょっと離れるけど、おんな組にはふさわしいテーマだし、思うところいろいろあるから、何回かこの話、させてもらうね。

前回を「思うところその1」として、今回はその2。
介護が女の肩にかかっているのは、ひとり家庭内のみではないのだ〜とよくよくわかったよ、の巻。
私も二回の入院経験があるから、わかってそうなものなのに、自分が患者の場合は、世話する側にまで深く目が届かないのです。入院日数もそんなに長くなかったし。
今回は患者の家族、というワンクッション置いた立場から、もう一ヶ月間、しげしげ見ている。
うちの病院、医師3人は男だけれど、日夜世話に当たっている職員はぜ〜んぶ女!
一日だけ男性の介護者が見えたけれど、その後、会わない。あ、テレビを取り付けたり、あちこち修理したりする担当者は男性だ。ほかはぜ〜んぶ女。
私に見えないところ、もっと重篤な老人たちがいる階や調理場などには男がいるかもしれないけどね。
とにかく母の衣食住および医療の世話を直接するのは、女性たちなのよ。
しかも彼女たちの話を漏れ聞くと、家庭で子育てをすませ、老人介護をすませたというケースが少なくない。いまだにうちに帰れば孫の世話、というひともいる。
そして、あの、肉体的にも精神的にも、筆舌につくしがたいほどの激務。もう、アタマさがりっぱなし。

間違いなく福祉の分野は女性に支えられているね。家庭と社会での、女性のあの奉仕精神がなかったら、貧弱きわまりない日本の福祉、とっくにもっとたくさんの犠牲者を出してるよ。
福祉切り捨て政策は介護者の負担を増す。つまるところ、もろに女性への圧迫なのだ、と改めて認識したわけでした。