あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第3回

■差別と学問■

中山千夏(在日伊豆半島人)

ふむふむ、さすが!!
快調な滑り出しですね〜。
1970年代以降(つまりウーマンリブ以降)、欧米の科学界では大きな変革があったと聞いている。それは、男性中心・白人中心の視点から、女性中心・有色人種中心の視点をも取り入れたものの見方を、意識的に押し進めることだった。
特に歴史や生物学の分野ではそれが功を奏して、いろいろな新説を生む刺激になったようだ。
サコ先生のお話を例にとれば、ウーマンリブ以前は、「人間はなぜ二本足で歩くようになったか」と設問しておきながら、「男が二本足で歩くようになったわけ」だけ答えて澄ましていることが多かった。聞くほうもそれで納得していた。
けれども当然のことながら、「人間の」二足歩行の起源を言うなら、男性・女性それぞれの、もしくは両性に共通する起源を求めなければ正しい答えは出ないよね。
これ一つとっても、ウーマンリブは女性のためだけの運動ではないことがよくわかる。何にせよ差別に気づいて、差別をやめようとすることは、正しい学問を生む契機ににもなるのですね〜。