第260回 We are not ABE!!

佐古和枝(在日山陰人)

薬の副作用ですか?!怖いですね。現代人のわれわれは、薬といえば製薬会社が作った錠剤や粉末、液体を思い浮かべますが、もともとは人それぞれに植物や生き物など自然界にあるものを採取して、薬として利用してきたんですよね。ってこと、いま韓国の昔の医者を主人公とした歴史ドラマをみながら、再認識しているところです。

「これを飲めば、必ず元気になります、永遠に病気にならない体になります」と、わが国のトップが国民に無理矢理飲ませようとしているおクスリ・・・・
「え?これは、昔から政府が毒だって使用禁止してきたものですよ?」
「大丈夫、大丈夫。あなたの体とあなたを取り巻く環境は昔とは違っているのだから、いまとなっては毒ではなく薬なのです」政府主導で、こんなウソつき商法が跋扈しています。

アメリカ兵士の代わりに自衛隊員の命を差し出してでも、アメリカのご機嫌をとりたい。それを「わが国の安全のためだ」というウソ。「兵站」を「後方支援」と言い換え、「戦争法案」を「平和安全法制」というウソ。「米国の戦争に巻き込まれるということは絶対にありません」というウソ。
次の戦争は「平和維持活動」、戦場は「特定紛争地域」、兵士は「平和創造支援員」、戦闘は「平和創造プロジェクト」とか「平和おこし」とか言われるんだろうな、とツイッターで呟いている人がいました。座布団3枚!

若手国会議員の勉強会で、講師が「政府に批判的な沖縄の新聞社を潰せ」という発言をして、またまた与党の醜態をみせつけられました。まったく、世も末ですね。
首相は、遺憾だといいながら、「われわれの考えと大きく違う」と言い、「詫びるかどうかは発言する人物のみがその責任を負う」として謝罪を拒否。
そりゃ、わが国は思想信条の自由、表現の自由が保障されていますから、個人としては自己責任で何でも言える。実際、この講師に呼ばれた人は、この種の問題発言をして物議をかもし続けていますもんね。問題は、こういう人を講師として呼んだ側にある。そこに、この勉強会そのものの姿勢が露骨に表れている。そのことに対する党首としての責任は、どうなってるんでしょうね?
勉強会の責任者を更迭し、テキトーな言い訳をし、上っ面だけを取り繕うだけで、本当に悪いことをしたとは思っていないんだろうなと思いますよね。戦争責任について、いくら日本のトップが謝罪しても近隣諸国が不信感を抱き続ける気持がよくわかります。

また、首相は「報道の自由を尊重するのは一貫した私の立場で、党としてもその立場を貫いている」とも言い切った。ウソでしょって、もう皆わかっているとは思うけれど、それはわれわれの想像以上に深刻だということを、内田樹さんがブログで教えてくれています(「内田樹の研究室」 http://blog.tatsuru.com/)。内田さんは、ニューヨーク・タイムズ紙、ジャパン・タイムズ紙、ル・モンド紙など海外メディアが最近の日本政府の動きをどう報道しているかを翻訳して、紹介してくれています。それを読むと、アベ首相への批判や疑問、揶揄は痛烈です。海外からこんなふうに見られている人を国のトップに据えていることに、有権者として穴があったら入りたい心地です。日本のマスコミは、海外でのこうした報道をちっとも伝えてくれませんね。
そうした海外特派員の記事から、日本政府が報道内容についてあの手この手で圧力をかけていることも、知りました。昨年から、それがひどくなっているそうです。「報道の自由を尊重している」なんて、大ウソつき!

今回の勉強会での問題発言も、世界のマスコミが見逃すはずはないでしょう。日本は、どんどん世界の笑いものになっていく。なんとかせねば。せめて「We are not ABE!!」と、いまの政権にも世界のメディアにも伝えなきゃ。
いま、憲法学者だけでなく、宗教界、政治家、戦争体験をもつ世代の多くの方々が行動をおこしていますね。べ平連こうべも復活した。政治に無関心といわれる大学生達までが、ついに立ち上がった。いままで護憲・反戦ウンドウとは一線を画してきた人達も、さすがに「これはヤバい」とそれぞれに思い始めている。ここは、ふんばりどころでしょう。おんな組も、がんばろう。