第259回 経済優先は体に悪い

中山千夏(在日伊豆半島人)

すごい同郷人いたのね! 宇沢弘文。
時々、ウンドウ関係者から名前を聞いたことあるなあ、と思ったら、ふうむ、そういうひとだったのね。
私もドロナワ調べして、へんなことに感動した。こういう学者でも勲章もらえるんじゃん、って。いろんな賞もいっぱい貰ってる。だったら学者みんな、安心して良心にてらして反体制的な活動してくれればいいのにね。ま、宇沢さんは国際的な評価が高かったからかもしれないが。

そういえば、自民党が呼んだひとも含めて参考人の憲法学者は、全員が戦争法案こと「安保法制は違憲」と断言したそうじゃない。
自民党って杜撰なのか傲慢なのか。
自民党支持の学者と思っていたから呼んだのだろうけど、そういう学者ですら違憲と言うほどの違憲。
それがはっきりしたのは嬉しかった。自公の支持者のなかにも強い反対がある、と聞くし。

でも心配。近代史を見ると、政治の右傾化が激しくなってくると、体制側にも抵抗するひとたちが現れるみたいよ。
弾圧される裁判官の出現も、そういう時代の特徴みたいだし。
あ、低俗の権化みたいに言われてきた女性週刊誌が戦争法案に反対の記事を書きだしたのも、異常右傾化時代ならではの現象・・・
と見ると、喜んでいられない。
歴史が繰り返すなら、いずれ富国強兵、進軍ラッパだもの。

ほんとうに、今は女にも選挙権があるんだから、しっかりしなくちゃね。いくら女同士だからって「八紘一宇」などと口走るヤカラは、悪質男の一種とみなして、タモトを分かつべき時だね。集められて居並び「原発は安全」と言った世界の女科学者なんぞも、それを企画した男ども同様、人類の敵、おんな組の敵だ。
こっちも達者でがんばらにゃ!

ついては・・・あははは、突然、極私的な話になっちゃうけど。
クスリやめましたっ(-へ-)

あのね、ガンの手術以来、術後健診というのを定期的に受けていて、その血液検査で、コレステロールの数値が通常の基準を超えたからって、薬を与えられてたの。信頼しているセンセイだし、私もわりと優等生だから、ほぼきちんと飲んできた。5年間ほどになるかなあ。
それがこの4月の初め、4日ほど続けて飲み忘れたのよね。
そうしたら、なんだか体調がいい。
で、もうしばらく止めてみた。どんどん快調になる!
ありゃりゃ、老化現象かと思っていた不調は、もしや薬の副作用?! 思えば不調は、その薬を飲み始めてから始まり、どんどん進行してきたよねえ?!

すっかり忘れていたんだけど、薬局がくれたその薬の説明書には「筋肉に影響する副作用があるかも」みたいなことがちゃんと書いてあった。
今ネットで詳しい資料を見ると、「想定される重大・重篤レベルの副作用」に、こんな項目がある。

 副作用の名前 ミオパシー 
 その症状   手足が痺れる、手足が痛む、足がだるい、低い椅子から立てない、転びやすい、腕が上げにくい等

まさに! そうひどくはなかったけれど、ここ数年、まさにこういう「症状」があった。特に「転びやす」くなってたし、重いダイビング機材を背負って「椅子から立」ち上がるのがいやに困難になっていた。
それが服薬をやめたらどんどん改善した!

そこで私は考えた。初めて真っ向から医療を考えた。
コレステロールが基準値より高いのと、服薬による体調不良とどっちがいい?
思えば、コレステロールが基準値を超えていても、それは即病気ではない。年齢や性や体質や悪い食生活や運動不足による自然な状態だ。にもかかわらず基準の数値は、個人の年齢・性別・体質・生活習慣にかかわらず、一律に決められている。それも、聞くところによると、しょっちゅう変わる。
そんな基準値を絶対視して、体調が悪くもないのに薬を飲み、その副作用で体調不良になるなんて、不条理だ! 血圧も糖も同じこと。
医療は体調不良を自覚してからでいい。それまでは、医学的にどうであれ、自覚的な快調をよしとして過ごしたい。
決めた! 薬やめた!

というわけ(^^)
あとは健康的な食事と適度な運動。それで壊れたらしかたない、という構え。あ、サプリは薬以上にヤバイと思っているから、もともと口にしない。
健診もやめる方向です。対処しないのに数値測っても無駄だし、早期発見、望まないので。

それから興味を持って見てみると、医療の世界もすっかりカネに牛耳られているようね。
最近、大手の出版社から「編集局」が無くなるというので仰天したんだけど、つまり今や出版社ではどんな本を作るかは特に部局を設けるまでもない些事であって、重点はどう利益を上げるかなのね。大手テレビ局でも、とっくに制作は下請けにやらせて、もっぱら経営に腐心している。大学もそうだと聞く。
医療施設も同じらしい。医師など医療に当たる者の意見より経営担当の意見が強いんだって。製薬会社はいわずもがなでしょ。
そんななかでの健康診断や予防的投薬は、病気ではないひとびとからも医療費や薬代を徴収するシステムに、どうしても見えてしまうよ。

私が経済優先の世の中に苛立って『カネを乗りこえる・・・マンバのカネ批判』(大月書店)を出したのは2002年だった。マンバ様の怒号も虚しく、カネ第一の風潮はますます盛んで、世の中を地獄のほうへ吹き寄せている。やれやれ、どうしたもんでしょうねえ。

カネを乗りこえる―マンバのカネ批判