第189回 ■やっと市民活動■

中山千夏(在日伊豆半島人)

すごい! 全谷里遺跡のイベント!
こんな国際イベントこそ、もっと日本でも報道すればいいのにね。
サコちゃんのレポートで、韓国の考古学関係者の教育への関心、知的な力をひしひしと感じて、感動した。

でもさ、素直に喜んでいられないのが昨今の悲しさ。
公共事業っての? 万博みたいなもの見ると、すぐに、金まわりはどうなっているのだろう、公金をやたらに食ってる企業がありゃしないか、韓国と日本、ボウリョクダンから土建、鉄道まで、政治家がらみの癒着が昔から有名だもんなあ、両国の一部オエライさんがこれで懐肥やしちゃいないか…と、つい考えてしまう。
ま、戦争されるよりゃいいか、と最後はそこに落ち着くのですが。

適法ならなにやってもいいだろう、金ならいくらでも納税者消費者から取ればいい、と心得ている団体があまりに多いので、もう、素直に公共イベントを楽しめなくなっちゃってるのね。
公共事業をタテに居直りっぱなしの東電はその代表。よくこれで国民消費者が暴動おこさないもんだ。
覚せい剤無理やり打たせて、中毒にさせて、薬欲しいの弱みにつけこんで高く売りつけ、欲しいならもっと金出せ、文句言うな、言うことなんでもきけ、とやるボウリョクダンと、原発東電と、どこが違うのか、私には見分けがつかないよ。

報告ひとつ。
だいぶ前、サコちゃん、「浜岡原発再稼働の是非を問う静岡県民投票」やろうとしている友人を紹介してくれたでしょ。そのひとから資料送ってもらった。
県民投票実施のためには県条例が必要⇒県条例作るには県有権者の50分の1以上の署名が必要⇒署名を集めよう!という話だった。
そうか、参加しよう、と決めた矢先、今度は伊東市の友人が、知人を紹介してきた。その署名集めの伊東支部を担当しているひとだった。
そういう署名だから、ただ集めればいいわけじゃない。選管が最後にチェックするんだけれど、それをパスするには、全県かたよりなくとか、いろいろ条件がある。で、各市町に支部を作ってその市町のぶんを集めることにしたらしい。
原発をもっともっと市民が知るキッカケになりそうだから、やってみることにした。伊東市のノルマは1万署名。締め切り7月11日。うひゃ〜。

そんな動きのなかで、原発のない未来を求め、放射能汚染を生き抜くために、なにかやろう、という伊東市民と新たに出会った。私のような移住市民もいるけれど、中心は地元のみかん農家やオーガニック食品屋さんやなんか。地元といっても、大学時代はほかで過ごしてたとか、一時東京で仕事していたとか、いわゆるUターン組ね。
だから、地元故郷を客観的に見る目も持っているひとたち。そして互いに幼馴染だったりのシガラミをもっていて、モノゴト、理屈だけでは進まないとよくわかっているひとたち。

1日彼らと話して意気投合、ははは、グループ作っちゃった。
その名も〈原子力いいんかい?@伊東〉ての。
大目標は市民経営のエコ電力会社設立!小目標は、放射能内部被曝から子どもを守る勉強会のこまめな主催。
中目標は市民病院に内部被曝測定所を常設させること。

てわけで、やっと私の地域活動が始まった感じなの。サコちゃんは地域活動のベテランだけど、私、幼時から移動人生で故郷がないし、仕事もウンドウも全国区だったから、端緒がなかった。
伊東に仮住まいして40年弱、市民になって約4年、そこへフクシマショックがあって、一挙に機が熟した、とでもいいましょうか。
東京はあかん、地域から考え、地域で活動せなあかん、という小田実さんの意見が、ようやく実感できてきたところだったしね。

そうそう、仲間のみかん農家のひと、おもしろいよ。みかん園の一隅に、縄文式住居を自力で建てちゃったんだって。そこに泊まったり周囲で縄文式?料理の宴会やったりしてるらしい。
どういうつもりなのかねえ。
一度、いってみよっと。