第187回 ■全原発停止の日に■

中山千夏(在日伊豆半島人)

うほーいい天気!

「泊止まって晴れ渡る朝」(武玉川 線香)

「青空に希望の鯉泳ぐ」(武玉川 線香)


サコせんせのポルトガル旅行に同行した友人から、ちょこっと様子を聞いて、おみやげ話を楽しみにしてたの。
さすがだなあ、ちゃんと考古の柱があっての旅行だったんだね。
確かに言われてみるとポルトガルは、日本の歴史に大きな影響を与えているんだね。そのわりに遠い感じ。ま、20時間もかかるんだから、遠いわけだけど。
現代では音楽、ファドが有名だよね。ちょっとフラメンコっぽい。ファドを聴かせるレストランなんかもあるらしいけど、きっと行ったよね?

私の最近の紀行は、鳥取県! 
あはははは。サコちゃんの故郷。むきばんだ遺跡のお膝元。
5月3日の憲法記念日に、「憲法と原発」と題する講演をしてきたです。とりぎん文化会館のホールでね。

ここ市民会館なんだけど、鳥取銀行に名前売ったんだってね。だからとりぎん。今の自治体はけったいなことするね〜。市民会館の名前売ったり、尖閣列島買おうとしたり。いいかわるいか知らんけど、わしゃ好かん。

おっと脱線。鳥取はサコちゃんとキョンちゃんの故郷だし、主催が労組系だったんでキョンちゃんもスゴちゃんも講演に行っている。で、おんな組もよく知られていたから、ついでの話にはことかかなかった(私のおしゃべりはついでの話が多い(^_^;))

あ、閉会の挨拶した市議さんは、かつてサコちゃんとスキー部でいっしょだったって言ってたよ。そのひとも選手級、サコちゃんも上手なんだってね! 昨今、腰の具合悪くてよたよたしているサコちゃんからは、想像もつかないが…
大方の聴衆はむきばんだについてもサコちゃんについても多少なりとも知っていた。
ところがっ。一番前の男性ふたりが首をかしげあっているので、詰問したら、「知らんかったです。むきばんだの近くから来たんですけど」だって! 厳しく叱って、まるで私が遺跡保存したみたいに自慢しておいた、あははは。

この日の日本列島は記録的な悪天候で、天城峠の降雨量なんか、観測史上最高だとか。案の定、朝、伊東線は運転中止。鳥取空港も着陸の確証なし。はらはらどきどきの日帰り旅だったけれど、無事たどり着いて戻ってきたし、聴衆も喜んでくれたようだったので、くたびれた甲斐がありました。

主催はこの時期、日本国憲法(もちろん保持)にちなんだ講演会を毎年開いているそうだ。スケジュールは早く決まったんだけど、希望のテーマがなかなか決まらなかった。最後に「可能なら25条をからめて原発の話を」と申し出があったので、願ってもないと賛成した。

提案したひと(教師)によると、今、原発の副読本なるものがさる財団から学校に配布されている。その内容は事故前の安全神話宣伝と少しも変わらず、事故にも、子供たちが放射能汚染から身を守る方法にも触れられていないという。

国策教育の対応はほんとうに機敏で強力だね。

そんな状況に疑問を持っていたところ、ネットで「私のための原発メモ」を読んで、おお、これだ! とテーマが決まったという。

機敏で強力な国策教育も、ネットがある現代では、そうそう強引にやれなくなっているね。

印刷技術やIT、その他の技術をわれら市民は活用すべし! と改めて思うよ。

副読本といえば、アイヌの先住民族権を重視した副読本、そしてその制作を担ってきた委員会そのものの改悪が、いま、ずんずんずんと推し進められている。
当ホームページのトップに抗議文を掲載したから、読んで知ってね。
国連がアイヌ(とオキナワ)人を日本の先住民族と認め、対策改善を勧告してきたために、国も、アイヌ民族をどうするか、本気で考えなければならなくなった。国家主義者から出てきたその答えのひとつがこれだろう。
先住民族は自滅したことにしてしまうのだ。未来の有権者がそう思い込むように、学校教育してしまうのだ。

教育制度については古代史や生物学以上に無知だからよくわからないけれど、なんか全体的に自由がないよね。教科書検定、副読本、教育委員会制度、教師管理、すべてを官僚国家の串が貫いて固定し、そのうえ利権のゴマをまぶした串だんごみたいな感じがする。とても子どもの健康にいい食べ物には見えないなあ。
成績ばかりじゃなくて、こういうことにも深い関心を持つ親たちも、けっこう増えてはいるんだろうけどね。