第184回 ■戦争も原発も■

佐古和枝(在日山陰人)

さすが千夏さん、詳しく調べてくださって、感謝です。私もだんぜんリーマ・ボウイー! 番組のなかでも、めっちゃカッコよかったです。ボウイーさんだけでなく、登場する女性たちそれぞれにキラリと光る発言をしていて、まさに大拍手!でした。サーリーフさんは、番組の最後にちょこっと、大統領になったという場面が映っただけでした。御神輿かついでもらったという自覚はあるみたいで、大統領になって最初の演説で、「女性たちの偉大なパワーが私を大統領にしてくれた」みたいなことを言っていました。ただそれだけの扱いで印象が薄く、少し怪訝に思ったのですが、千夏さんの調査結果を読んで、ドキュメンタリーの製作側も、そのあたり、わかっていたんだなと合点がいきました。それにしても、ボウイーさんが「女性よ、立ちあがれ!」と声をあげるところから映像を撮っていたのだから、そういう動きを察知し取材し続けていた人達にも拍手でしょう。アメリカの製作会社でした。この「内線を終わらせた女たち〜リベリア」は、2009年2月から2012年2月まで6回も放映されていますが、何度でも再放送してもらいたい番組です。

先週、わが故郷鳥取県米子市でも、元気な女性たちの活動ぶりをニュースで見ました。島根県松江市の鹿島原発も、古い上に近くに活断層もあって、危険視されています。東北大震災の後も、中国電力は強気で、3号機の増設やプルサーマル発電の計画を続行すると表明。もっとも原発推進してきた島根県知事は、「了承時といまは状況が違う。新しい知見にもとづいた検証が必要」と保留しているようです。

どこかの大学の先生が、鹿島原発で事故が起きた場合の影響を、風向きでシミュレーションをしてみたら、東側の米子周辺に色濃く被害が及ぶことが判明。それで、米子の女性たちが、原発のそばから紙風船を200個飛ばして、風の実態調査をするとのこと。ニュースでその説明をしていた活動の代表者が、なんと私が妻木晩田遺跡の保存運動をした時に、事務局を引き受けてくれた女性でした。千夏さんも、保存運動を始めるきっかけとなるシンポに出てくれた時、会っている人です。遺跡の保存が決まってから、会う機会もなくなったのですが、あいかわらず元気にやってるんだぁ〜と、頼もしく思いました。

一方、反原発活動へのバッシングも、あちこちで露出してきましたね。書店でも、そういう類の本をみかけるようになりました。しかし、先日テレビで作家の高村薫さんが「電力が足りないとか言うけれど、日本(人類だったかな?)が滅ぶかどうかという時に、電力もクソもない!」と怒っていました。テレビで「クソ」って言う女性も少ないかもですが、それくらい怒ってる。「どうして、みんな怒らないの?」と怒ってる。そーだ、そーだと、高村さんにも拍手!
他にも、拍手したい女性はたくさんいます。リベリアで女性たちが戦争を終結させたように、日本の原発も女性パワーで止めてみせましょうぞ。

鹿島原発