第168回 ■法然院での一日■

佐古和枝(在日山陰人)

千夏さんは小笠原で、また海と自然を満喫してこられたようですね。サコも明日から種子島! 以前このコラムでも書いた「宇宙と考古学」の第2弾なのですが、今年はオプションとして講演の翌日に、広田遺跡の目の前に広がる海の底、サンゴ礁のリーフで遺物を探そう!という計画があり、サコも、ン10年ぶりに水着を購入してルンルン(^O^)/ 及ばずながら千夏さんが楽しく遊ぶ海の世界を体験してこようと思っていたのですが、なんと先週から気管支炎でダウン(@_@) 「シュノーケルなんて、もってのほか!」とお医者さんに叱らてションボリ。おとなしく、お仕事だけやってきます。

さて、咳と微熱でフラフラしながらも、昨日は京都の名刹・法然院で一日楽しく過ごしました。この法然院は、とても素敵な庭園と、谷崎純一郎や西田幾多郎など著名人のお墓があることで知られています。
http://www.honen-in.jp/
お寺は人が集い、賑わう場であるべきという梶田真章住職のポリシーのもと、法然院ではあらゆる分野の講演、講座、芸術家の作品展、コンサート、落語会など、毎日みたいに何かがおこなわれています。おんな組関係者でも、キョンナムさんの講演会や李政美さんのコンサートが開催されました。東北大震災にむけてのチャリティー・イベントも、何度もおこなわれています。

サコは、数ケ月に一度くらいの割合で「お寺で楽しく考古学」という講座を、もう10年近くやっています。そうやっていつも法然院で何かやらせてもらっている人達が、毎年夏休みにそれぞれの得意分野を活かして、「おてらでなんかやったはる」という子供向けのワークショップを4日間やるんです。今年は、竹笛作り、わらべうた、宝石すくい、茶道、野染め、さをり織り、和の花あそび、森の工作教室、おりがみ、幻燈会、立ち絵、きりがみなど、大人でも参加したいメニューが同時進行でおこなわれています。

サコは草木染めとか勾玉作りの他、あまり芸がなくて、このところマンネリ気味(=_=) そこで、今年は陶芸家の中野亘さんと一緒に、「今日は一日、弥生人!」という企画にしてもらいました。午前中に中野さんが土笛作り、午後はサコが勾玉作り。土笛と勾玉がどう結びつくのか?そこはサコの口八丁(=^・・^=) 
土笛は楽器です。以前永六輔さんがテレビでおやりになったように、「人はなぜ音楽をはじめたのか」。それは、かみさまほとけさま(お寺のイベントなので)に喜んでもらうためでした。人間は、かみさまにお願いしたいことや感謝の気持を伝えたくておまつりをするわけですが、かみさまが気づいてくれないとどうしようもないので、音をだしたり、歌をうたったり、踊ったりして、かみさまの気をひくのです。そういうおまつりの場に、普段着で参加してはいけません。やっぱりオシャレをしなきゃね。ってことで勾玉作り。とはいえ、オシャレだけではありません。勾玉をつけていると、かみさまがわるいことから守ってくれるのですよ。だって、「たま」というのはタマシイのタマですからね。土笛も勾玉もかみさまをつながることのできる、大事なツールなのでした。

そして、その勾玉を身につけて、夕方は中野さんの土笛と山本公成さんの竹笛のコンサートへ行って、祈りのひとときを過ごす、というシナリオでした。法然院の山門を舞台にした土笛と竹笛の音色が、ヒグラシの鳴き声と調和して、時空を超えた不思議な感覚を味わわせてくれました。なんとなく、かみさまであれ、ほとけさまであれ、人間を越えたナニモノかに繋がっているような。。。現代人は日常のなかで何かに「祈る」という時間が非常に少なくなっています。たまには、日常生活のスイッチをすべてオフにして、ふっとナニモノかに「祈る」という時間、あってもいいんじゃないかなと思います。
では、明日から種子島! その報告も楽しみにしててください。


勾玉作り


完成間近