第160回 ■もっと「いい国」に生まれかわるんだ!■

佐古和枝(在日山陰人)

まずは、東日本巨大地震の被災者の皆様に、心からお見舞い申し上げます。

地震、津波、そして原発事故と、あまりにも悲惨な現実に、胸が潰れる思いをしています。と同時に、混乱と困難の渦中にあっても、助けあい、思いやり、支えあう人々の姿に胸を打たれる毎日です。
被災者の皆さんのそういう姿が世界に発信され、称賛され、尊敬されていますよね。阪神淡路大震災の時もそうでした。外国では、あり得ないって?「そうなんだ・・・」って改めて思いました。

私たちには、この狭い島国で暮らしてきた祖先達の遺産として、ここいちばん!という時には助けあい支えあう精神が、DNAに埋め込まれているのかもしれません。大陸からやってきた人達とも、障がい者の人達とも、大昔からずっと一緒に暮らしてきました。大昔からずっと、地震・洪水・火山の噴火などの災害を、みなで助けあいながら乗り越えてきました。そんなことを、考古学は教えてくれています。

この際、他の国ではあり得ないっていうほど世界中から称賛され、尊敬されたことをしっかり受けとめませんか?これからの日本は「助けあい支えあう国」という看板を掲げ、世界のお手本になる!災害の時もそうでない時も、世界でいちばん優しい国になる!高齢者も障がい者も外国籍の人も、どんな人も、みんなで助け守り支えあう国になる・・・って、どうですか?

東京では買い占め騒動があるようですが、関西は直接的な被害がないから、物心ともに余裕があります。そのためか、このところ電車や新幹線あるいは街中で、高齢者やベビー・カーをもった若いお母さんなどに、まわりの人達がいつもより親切になってる気がするんです。
きっとみんな、被災地の方々への思いに溢れ、身近なところの弱者にも優しくなってるんだと思います。この気持をずーっと持続できれば、世界一優しい国も夢ではない!ただ、この国の人達は忘れっぽいし、熱しやすくて醒めやすいからなぁ(@_@)いや、忘れさせない。継続する支援の仕組みを作るんです。

 たとえば、いま多くの自治体で、被災者の受け入れをおこなっていますよ。私の故郷・鳥取県は人口60万人足らず。全国でいちばん人口の少ない県です。人口密度でいえば、下から10番目ですけどね。
その鳥取県は、いまのところ106戸を提供するそうです。もっともっと来てもらえばいいと思います。過疎と高齢化に悩む自治体は、他にもたくさんあるでしょう。耕す人手がなくて放置されてる農地だって、たくさんある。
そして被災地の復興が進み、故郷に帰れるようになったら、受け入れ先で仲良くなった人達が、復興支援に来てくれる。遠距離交流が活発におこなわれ、お互いに人生が豊かになり、日本は活気づく。

 そうやって、助けあい支えあいながら、「日本は、震災前よりいい国になったね」と言われるようになるんです。でないと、これほど多くの命が奪われたことが、悲しすぎ、悔しすぎる。


クロアチア戦争で壊滅的に破壊されたけど
元通りに復興した世界遺産ドブロヴニクの街です。

奄美大島です。
2010年に、記録的豪雨に見舞われましたね。