あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第81回

■父娘か夫婦か?■

中山千夏(在日伊豆半島人)

ほんと新たな宿題ですね〜男系か女系かはすごく難しい。いろんな宿題が出てくる。

合棺の話を聞いて、現代の「夫婦別姓」問題を思い出した。
中国では昔から夫婦別姓でしょ。朝鮮もそうかな? 
へええ、新しい! と最初は単純に驚いたけど、あれは要するに、男女とも、一生涯、父方の姓を固守するためである、とわかって、複雑に驚いた。なんと、夫婦別姓のほうが父系が強烈なんだ、ってね。

つまるところ、今更、いくら夫婦別姓にしても、親の姓を規則的に継ぐ限り、男も女もみんな父系をひきずっていくしかないってことだ。現代の姓はすべて父系に発しているだろうからね。で、父系にせよ母系にせよ、規則的に姓を引き継ぐってことは、イエを引き継ぐってことじゃない?

いろいろな意味でのイエからの解放が、結局、夫婦別姓の目指すところなんだと思う。だとしたら、なんというか、自由姓とでもいうシステムにするのがいいんじゃないかなあ。誰でもみんな、自由に好きな姓を選ぶ。混乱すると困る(私が、じゃなくて国家が)から、これは非現実的かな。
いや、そんなことない。コンピュータ管理の国民総背番号が徹底すれば、姓がどうであれ、個人の管理に国は困らないだろう。
あ、そういう意味では、コンピュータ管理の国民総背番号を打ち出すことで、国家は、個人のイエを解体し始めた、と言える。国家はイエを通さずに、直接、個人を管理しようとしている。そのくせ、個人に対しては夫婦別姓すら認めずに、イエを押しつけようとしている。なんでだ? 
そうか、「私は番号ではない、イエという厳かなものによって束ねられている」という幻想を個人に持たせるためだ!

ううむ、事態は複雑かつ深刻だ〜〜〜

ところで、ちょっと気になったんだけど、現代の科学で血縁関係がわかる、というのはさもありなん、です。
しかし、男女の父娘または兄弟姉妹が合棺されていたとして、それが夫婦関係ではない、というのはどうしてわかるの? 古代では、特にウエツカタでは血縁夫婦は珍しくない、というのが私の印象だもので。
イトコ同士、祖父・孫、叔父・姪などはタブー視もされていないものね。そのくらいの血縁と、親子や兄弟の血縁との濃度差も、DNA鑑定できるのかな。

それから合棺がどのくらい安定した習慣だったのか、も興味ある。ほんと、宿題たくさんですね〜