あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第40回

■歴史の教科書、見たことありますか?■

佐古和枝(在日山陰人)

まずは、千夏さん。第11回日本絵本大賞の受賞、おめでとうございました!!「どんなかんじかなあ」は、歴史に残る名著です。

さて、深遠なる性の森から素朴で楽しい古代の森へ戻ります。・・・と言いながら、すみません。ここでもう1つだけ脱線m(__)m
新学期が始まりました。ところで、1999年の学習指導要領の改定にともない、小学校の歴史の教科書が弥生時代から始まっているって、ご存知でした? 小学校の教科書なんて、小学生の子供をもたない一般人には、なかなか見る機会がないですよね。
ゆとり教育路線で授業時間が減り、教える内容が削られるのは仕方ないにせよ、歴史を途中から教えるというのは、お芝居を途中から観るみたいで、なんとも違和感があるんです。
稲作をしていなかった時代を知ってこそ、稲作の意味や意義がわかるはず。自然の恵みのなかで生きていた旧石器・縄文人の姿に、いまこそ学ぶべきことはたくさんある。
授業時間を減らすためなら、歴史全体の説明を減らすこともできたはずなのに、なぜ旧石器・縄文時代を切り捨てたのでしょうか。まず思ったのは、旧石器発掘捏造事件のしっぺ返し(^_^;)だけど、縄文まで切り捨てることはないぞ。「いまの政府は、“お国の輝かしい歴史”しか関心がない。権力構造が生まれる以前の時代など、教える必要ないと思っているんだよ」と仲間は言う。
いずれにしても、考古学徒としては黙って見過ごすわけにゃいかない。子供たちにこそ、考古学を通じて、自然とともに生きた人間の姿や知恵、逞しさや優しさ、厳しさを学んでほしい。ってことで、学会もいまこの問題にやっと取り組みはじめ、サコめもその末席に。教科書の記述や学校教育における考古学の成果の活かし方について、検討を始めています。考古学の世界に学んでもらえば、人間はもっと優しくなれ、地球はもっと平和になるはず・・・と信じる単細胞のサコでした。次回はちゃんと考古学の話に戻ります、はい。