あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第32

■大雪です!■

佐古和枝(在日山陰人)

今年も残りわずかになりました。まだ12月だというのに、よく雪が降りました。日本海側の地域は大変でしたね。
考古学をやっている友人と大雪のニュースを見ながら、ふと思いました。あんなに雪が積もったら、上下開閉式の竪穴住居の扉は、開かなくなる?! 「開かんやろなぁ。そんな大雪の日は、外には出ないんや」じゃ、どこでオシッコするの?「そうか。困ったな。オシッコで雪を溶かす!(笑)」なにをバカなこと・・でも、ホントにどうしたんでしょうね。
それに、どうやって雪カキをしたのか。弥生人なら、農具の鋤や鍬があるけれど、縄文時代には雪カキ用と思えるような道具が見当たらない。板材でも使ったのかな。あれほどいろんな道具を作る知恵と技術をもちながら、雪カキ用スコップがないのは不思議。
また、大雪や長雨で何日も外に出られない時、女性は屋内でも糸紡ぎや編物・織物、ドングリの皮ムキとか粉挽き、食事の準備など、いろんな仕事がありますが、男性は竪穴住居の中で何をして過ごしていたのでしょうか?「せっせと石鏃を作ってたんや」ほらほらお父ちゃん、そんなに飛び散らさないでよ、危ないじゃない!って叱られながら?「うん、たぶん(笑)。でも、石鏃作りは家族を養うためなんやで。雪の中を狩に出かけるんや。ああ、オトコってつらいなぁ」
東北や北陸の縄文人達は、広さが100平米を越えるような巨大な建物を作ることがあります。集会場とか儀式に使うなど、ムラの公民館みたいな建物だったのでしょうが、豪雪地域に多いことやドングリの皮がちらばっていた例があることから、冬の間の共同作業場でもあったと考えられています。
ドングリの加工となると、つい女性の仕事だと思ってしまいがちですが、男性が一緒にやっていても不思議ではありませんよね。
大雪や長雨の時は、家のなかで夫婦が一緒に作業をしながらのんびり楽しい時を過ごす幸せなひとときだったのかも。
ではみなさんも、楽しいお正月をお過ごしください。よいお年を!