心なごみませ  第43回

「グーグルアースなみかた」

山元加津子(在日石川人)

 Google Earthをご存じですか? 地球上の場所をパソコンで検索すると、その場所の航空写真や3D写真までがとても細かく正確にあらわれるのでびっくりします。私はそれを見るたびに、ひろしくんのことを思いだします。 ひろしくんはどこかへ出かけると、決まって絵を描くのです。画用紙に、建物や空き地や道路や公園などを上から見たようにして、とても正確な感じの地図をかくのです。あるとき、思いついて、絵を縮小コピーにかけて、たまたまあったそのあたりの道路地図に重ねてみてとても驚きました。絵は、道路地図に何ミリも違わずに見事に重なったのです。イギリスのテレビを観ていたときも、ひろしくんは地図を書きました。その絵もきっと正確だったと想います。私はひろしくんはきっと心を空にとばせるんだなと思ったのです。ナスカの地上絵の話を聞いたときに、私はひろしくんのことを思いました。ひろしくんなら、きっと地上にいて、空に心をとばしながら、大きな大きな絵をかけるだろうなと思ったのです。空から見ることができれば、まっすぐな大きな線だって、きっと引くことができるでしょう。
 そのほかにも、知らない土地へ行っても、どこにいても、けっして迷子にならない子どもたちともたくさん出会いました。もしかしたら、迷子にならないのも、空へ心をとばせるからかな?そして、もし心をとばせるなら、ナスカの地上絵も描けるでしょうか? Google Earth を見ていて、ひろしくんは、こんなふうに今自分がいる場所を大きな 視点で見ていたのだろうかと思いました。イギリスのテレビを見ていたときはイギリスの空にすぐに心をとばせたひろしくんは、きっとGoogle Earth みたいな視点、心を持っているのですね。
 他にも 素敵な力を持っている子供たちがたくさんいます。人間は本当になんて素敵ですごいのでしょう。子ども達はいつもいろんなことを教えてくれるんだなあと、Google Earth を見て思ったのでした。