心なごみませ  第30回

「リボンのプレゼント」

山元加津子(在日石川人)

 学校に段ボールに入ったたくさんのリボンが届きました。
 箱には素敵なお手紙がついていました。
「こんにちは。私はリボンを販売しているものです。今まで私は養護学校の人たちにどう接すれば良いのかわからずに、遠目で見て、あまり関わらないようにしてきました。
 ちょっとしたきっかけで、みなさんのことを知り、本を読んだりするうちに、皆さんのことを少しずつですが、身近に感じることができるようになってきました。
 先週も近くのショッピングセンターで10人ほどの方がお買い物をされていて、私も「こんにちは」と声をかけることができました。
 声をかけて良かったのか、止まって話をしたらよかったのか、私にはわかりませんが、何となく、ルンルン気分になりました。
 私はどんな形でみなさんと接点を持ったらいいかわからないけれど、でも、何か喜ばれることができるだろうかと考えるだけで楽しい気持ちになることができます。
 皆さんが私の知らない世界でがんばっていてくれるので、私もがんばることができるんだなという気がします。
 本当にありがとうございます。
 このリボンたちは私どもの仕事で今のところ、使う予定がない品物です。皆さんのアイデアでいろいろ活用していただけるととてもありがたく思います。
 立春はすぎても、まだ寒さが続きます。皆さん風邪をひかないようにご自愛下さい。

。。。。。

 可愛いたくさんのリボンをみんなで、大喜びして、何に使わせていただこうかと子どもたちと話しています。
「皆さんが私の知らない世界でがんばっていてくれるので、私もがんばることができるんだなという気がします。」という言葉に胸がいっぱいになりました。
 人と人が生きているとき、どちらかが一方的に、してあげるということではなく、おたがいさまで生きているんだねと言っていただくことはなんてうれしいことでしょう。もうすぐ春がやってきますね。
 今日はバレンタイン。愛がいっぱいいつもあふれているといいな。