心なごみませ  第2回

「黄色い車」

山元加津子(在日石川人)

 家へ帰って、必ず開くホームページががいくつかあります。ほっとしたり、大切なことを教えてくれるページを読ませてもらうことは明日へ歩き出す勇気をいただける気がするのです。今日は友だちのまりこさんのページの日記を紹介させてください。
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我が家のダイニングの窓からは、稲刈りのすんだ田んぼが見えます。
そしてその向こうに、大きなアパート(マンション?)。その隣に駐車場が見えます。
駐車場には、たくさんの車が停まっています。
私の息子は2歳。
車が大好き。
毎日ミニカーとともに目覚め、ミニカーとともに眠る生活です。
窓の向こうに見える車がとても気になります。
特に、いつも駐車場にある、黄色いワーゲン。

機嫌が悪くて大泣きしているとき、窓をあけて、
「あ、黄色いくるま、あるね。」と言うと、
すぐに泣きやんで、「あ、ブーブーあるね。」とうれしそう。
ご飯を食べているときも、途中で気になって、カーテンをあけて、
黄色いワーゲンの存在を確かめることもあります。
黄色いワーゲンのおかげで、元気が出るようです。

どんな方が乗っているのでしょう。
まさかこんな風に、車のことを楽しみに見ている男の子がいることは知らないでしょう。

本人が気がつかなくても、あなたの存在が誰かをとっても幸せにしているっていうことがあるのです。
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まりこさんの言うとおりだなあと思いました。
いつも自信たっぷりに生きることのできる人もいるかもしれないけれど、でも、そうでない人も多いと思います。私もそう。いつもおっちょこちょいで、失敗ばかり・・
人に迷惑ばかりかけてしまうことがあまり続くと、悲しくてたまらない日もあります。
 昨日いただいたメールの中にも、「僕なんて、誰の役にもたっていない、生きていく意味があるのだろうか」と書いておられる方がいました。でもね、そうじゃないんですよね。まりこさんの言うとおり、気がつかなくても、きっとあなたという存在も、私という存在も、この世の中でとっても大切な役割をしているに違いないんだ・・そんなことを考えさせてくれた、その日のまりこさんの日記でした。