伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第45回 薬局の娘が……

ほとほと参りました。
28日土曜日早朝、ひどい下痢に襲われてしまったのですよ。
というと、すわコロナか、と疑われるかもしれないが、ご安心を。原因ははっきりしてます。私のオッチョコチョイ。
金曜日の午後、便秘薬を飲んだ。めったに飲まない。できるだけ自力更生に努めている。このごろは一年ばかりも飲まなかったのだが、今回はどうもしつこそうなので気軽に飲んだ。薬戸棚から取り出して。ただし、表示されている量より少なめに。飲む時はそうしている。一度、表示どおりの量を飲んで、ひどい目にあったから。
そうしたら、土曜の明け方から悪質な下痢に襲われた。たいへんビロウな話なので、本紙の品位を保つために詳述は避けるけれども、そりゃもうかつて体験したことのない異常な症状にみまわれた。
そんな私を観察しつつ、薬の箱をしげしげ眺めていたシッカリモノの家人が言った。
「千夏さん、これ使用期限が切れてますよ、2年も前に」
げ! 字が小さいから読まなかった。そうか、それが原因に違いない。てか、なんでそんなのが大事そうに薬戸棚に入っているのだ。
とぼやいてもあとの祭り。薬はコワイ、よくよく注意深く扱わなければ、と改めて思い知ることとなった。

父は薬剤師、うちは薬局、薬剤に囲まれた環境で幼少期を過ごしたからだろう、薬に対して恐れというものがなかった。父の指導に従っていれば、家族はみんな、適切な薬で軽い病気は治すことができた。
芸能人で多忙な時代には、父の知識を会得した母や祖母が山ほど準備してくれる風邪薬や栄養剤を、なんの考えもなしに飲んで、一日の病欠もなく活動していたものだ。
落ち着いて考えられるようになってから、医療や薬についての自分自身の方針が固まった。一口で言えば、なるべく用いない。医療はよほど必要でなければ受けない、薬もよほどのことでなければ飲まない。サプリや栄養剤はもってのほか。

それなのに、薬を使う時の用心を怠るとは! 薬であろうがなかろうが、いつからか知れず戸棚にあるものを気軽に口にしてはいけない、これ常識だろう。思えば、初めての食べ物を恐れなく受け入れる、という私のタチは、どうやらこの常識の欠如と連動しているようである。
ともあれ日曜には起き出してまずは白粥、夜はリゾットをおいしくいただき、晩酌にも復帰し、本調子ではないものの、回復に向かっている。
その月曜の本紙で「伊東でクラスター2例目」「1日に20人、最多」の記事を読んだ。自分の体調から、よけい感染者が思いやられて、軽くすむことを祈らずにはいられない。氏名を伏せて感染日や症状を細かく列記した県発表の記事は、まるで戦死者名簿みたいだ。
これでも県は国のGoTo政策を受け入れなければならないのだろうか?

伊豆新聞に連載中 その595(2020年12月2日掲載)


毒あり注意センニンソウ(吉田の沿道で)


第44回 転々流転の姓ながら
第43回 よろしうおたのもうします
第42回 奇っ怪!アメリカ式選挙
第41回 老いてなおハツラツ?
第40回 どうしてる?労働者諸君!
第39回 ひさびさの博士
第38回 タレント事務所に電話してみた
第37回 コロナと3大統領
第36回 不安なゴマカシ日本語
第35回 このごろの自殺
第34回 元子役の意見
第33回 今こそラジオ体操!
第32回 爺さんは婆さんだった
第31回 LGBTQ+
第30回 学歴詐称
第29回 嬉し恐ろし初体験
第28回 趣味はカネ儲け?
第27回 『雨』を歌えば
第26回 ツッパルことが男の……
第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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