伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第42回 奇っ怪!アメリカ式選挙

ニューヨークに長年住んで仕事していた日本人の友人が、えらく驚きまた落胆していたっけ。
「まさかトランプが勝つとは、誰も思ってなかったわよ。みんなびっくりよ。あんな人が大統領なんて、もうジョークよね」
前回の大統領選挙の直後だった。あれからまだ4年しかたっていない。もっとずっと長かったように感じる。それだけ存在感が強烈な大統領だったのだろう。
ウチの先代の親分、いや会長、もとい、首相が仲良くするのを見ると、そぞろ不安になり、はらはらしたものだ。ああ、またドスやらチャカやら買わされるぞ、デイリの手伝いさせられるぞ、と。
米国に住む移民や女性が、バイデンさん当確の報に「4年間の悪夢がやっと終わる」と欣喜雀躍したそうだが、その気持、よくわかる。

それにしてもさすが広大な国だ、3日(日本時間、以下同じ)に始まった開票は延々と続き、8日の朝になってやっと当確が報じられ、バイデン陣営が「勝利宣言」をした。それでまだ開票は続いている。今は9日の朝だが、全選挙人の過半数270人のところ、残り45人まで進んだところで、トランプさんの選挙人獲得数214人、バイデンさん279人、残り全部がトランプ支持だとしても過半数にはおよばない、という計算。
しかし、米国の選挙制度はややこしい。日本と違って州それぞれの独立がかなり保証されているからではあろうが、一般有権者からすると、投票が面倒なうえに完全な死に票になるケースが少なくない。まず、州に「投票者登録」をしなければならない。これが不備だと選挙権はなくなる。
選挙権を得ても、投票する相手は大統領候補ではなく、その州の「選挙人」。つまり有権者は大統領候補への投票を選挙人に委託するわけ。選挙人の数、これは日本の地方選挙に似て、州ごとに異なっている。そして、これがびっくりなんだけど、選挙人のうち最多得票者が、その州の選挙人数を総取りする。つまりある州でトランプ支持の選挙人が最多得票したとすると、その州の選挙人すべての票がトランプに投じられることになるんだって。

感心する。さすがカジノとマフィアのお国。勝者総取りのシステムは、紛れもなくカード博打の真髄でしょう。1票の重さの平等、直接選挙、などという民主主義の理想とは、まったくかけ離れたシステムではないか、
一般有権者は、勝敗を決するサイコロの、そのまたメのようなものだ。表になれれば自分の選択は生きるが、裏になれば取られて敵のコマになる。
そりゃどんな選挙制度にも権利の平等に反する仕組みが多少ともあるものだ。多数を抑圧するクソ平等もあれば平等を実現するための不平等もあるからだ。
しかし、アメリカ合州国大統領の選挙制度は、「自由と平等の国」のキャッチフレーズと、あまりにかけ離れているように思うのだが?

伊豆新聞に連載中 その592(2020年11月18日掲載)


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