伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第38回 タレント事務所に電話してみた

「はい、◯◯企画です」
「あ、お宅にワタナベアツシさん、所属なすってますよね?」 
「はい、所属していますが」
アニメの声優みたいな女性の声。◯◯企画の電話番号はネットで調べた。
「あのう、私、ともだちなんですけど、最近、彼と連絡とれないんでお宅に電話したんです。アツシさん、お元気ですか?」
「ハイ、元気ですよ」
ネット情報はかなり古いものばかり。最近の彼の動きが見えないので、ここに電話したのだ。
「そう、よかった。実はちょっと連絡したいことがあるので……電話番号は教えていただけないですよね?」
「ええ…それはちょっと。個人情報ですから」
「でしょうね。じゃあ、伝えていただけませんか、私ナカヤマチナツという者なんですが」
「は、ナカヤマ…チ…?」
うへ、声で予想したとおり若いひとだ。
「チ、ナ、ツです」
「ナカヤマチナツさんですね。いつごろのオトモダチで?」
「あは、名前言っていただけばわかります、私も芸能人でいっしょに仕事してたので」
「はああ、わかりました」
「私から電話があった、連絡とりたいと」
「わかりました、でナカヤマさまのお電話番号かなにか、教えていただ……」
こら、コッチも個人情報だぞ!
「あ、私から後日、オタクに電話しますよ、連絡とれたかどうか」
「はい、はい」
「ナン日ぐらいで連絡とれますか? そのころ電話しますが」
「そうですねえ…一日は置いていただきたいんですが」

みんなでアツシと呼んでいた渡辺篤史さんとはドラマ『お荷物小荷物』(1970年〜72年)で共演した。大阪ABC製作だったので、多くの週末を大阪で共に過ごした出演者は、長期だったこともあって級友みたいな仲になった。私に言い寄る5兄弟(むろん役のうえの話)が、上から河原崎長一郎(長サン)、浜田光夫(浜やん)、林隆三(リュッコ)、渡辺篤史(アツシ)、佐々木剛(タケシ)のめんめんだった。
ドラマが終わってからも、同窓会と称して、スタッフともども集まった。毎年とはいかなかったが、数年に1回ほど、レストランやメンバー宅を会場にわいわいやった。故人が増えるにつれて、開催は間遠になった。リュッコの追悼会を、タケシが経営する飲み屋「バッタもん」で開いた2014年が最後だろう。
「ウチでもう1回やらない?」と浜やんから電話があったのだ。それで、このところ連絡がとれないアツシを追った次第…と書いていたらケータイが。アツシだ!
なんのことはない、前のままの番号でかかってきた。浜やんほかの「電話も通じない」説は、ボケ情報だったらしい。確かめなかった私もボケだが。
アツシ、元気でジイサンになっていた。よかったよかった。

伊豆新聞に連載中 その588 (2020年10月14日掲載)


線香の香りが大好きなホタルガ


第37回 コロナと3大統領
第36回 不安なゴマカシ日本語
第35回 このごろの自殺
第34回 元子役の意見
第33回 今こそラジオ体操!
第32
回 爺さんは婆さんだった
第31回 LGBTQ+
第30回 学歴詐称
第29回 嬉し恐ろし初体験
第28回 趣味はカネ儲け?
第27回 『雨』を歌えば
第26回 ツッパルことが男の……
第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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