伊東市在住、おんな組組員・伊豆半島人を名乗る中山千夏さんの、身辺四方八方雑記!
伊豆新聞のシニア・ページに、2009年から毎週一回、連載されている長寿コラムを、同新聞のご協力で、おんな組用にアレンジ。たっぷり転載していきます。
 
 
 

第30回 学歴詐称

お盆休み、いかがお過ごしでしたか? この雑記も一回お休みをいただきました。梅雨も明けることだし、庭仕事に没頭できるぞ、と楽しみにしていたのですが・・・。    
いったい今年の夏はどうなっちゃったのか! 連日の雨がやっと止まったと思ったら、今度は連日の猛暑。それも湿気たっぷり。それでもクーラーも扇風機も使わない意地を張り通しているもので、屋内にいてもキソクエンエン、庭になんて1時間いたら退散のていたらく。
まあそれは、我が山の夏の基本的な気候なのだけれど、これほど強烈なのは初めての気がする。老化のせいかしら、いやいや、そればかりではなさそう。

というのも、伊豆海洋公園を根城にしているベテランガイド、私のダイビングを30年間助けてくれたヤナギタくんが、フェイスブックにこんな投稿をしている。
〈水深0〜6mまでは水温26℃で透視度8m、6〜20mは19℃で3m、21m以深は17℃で12m、もうムチャクチャですわ〜〜〉(16日深夜投稿)
潜らなくなって久しいが、こんなのを読むと海の肌触りが蘇る。しかし、視界も水温も深さによってまちまちな、こんな海には潜りたくないよお。
〈黒潮は異常な大蛇行を続けています〉ともある。海のベテランをも戸惑わせる気候の異常が確かに横行しているのだ。
それに較べればたいした異常ではないが、最近、「学歴詐称」の一例を知って、驚いた。

朝日デジタルのニュースによると、この14日、神戸市は48歳の職員を懲戒免職処分にした。理由は「学歴詐称」。詐称して採用試験を受け、水道局に職を得たのが1996年。以来、詐称し続けていたのが、「匿名の通報」によってついに発覚し、処分となった。
私が異様に思ったのは、その詐称、高卒以下を大卒と偽ったのではなく、大卒なのに高卒と偽っていた、というところだ。ふつうは逆だろう、と思ったが、理由も報道されていた。彼は「高卒者限定の区分」で実施された試験を受けた、それで大卒なのに高卒と偽ったらしい。
詐称して就職し、20年以上も詐称し続けて働いていたとは、よほど神戸市水道局が好きだったのだろう。それにしても採用試験に高卒の指定があるとは、異常ではないか? 採用するのに、小卒よりも中卒よりも大卒よりも高卒がいい、という理由が水道局の仕事にはあるのだろうか? わからん。
考えてみると、そもそもひとを採用するのに学歴を知る意味はない。芸術家の表現力が学歴とまったく関係ないことは、誰でも知っている。上等な芸術大学を出た名優や名音楽家など、実に少数だ。そして、あらゆる仕事は演技や演奏や舞踊や著述や絵描きにも似た、表現活動の一種だろう。だから労働者の能力を学歴で見ようとするのは、無駄。
まして高卒か大卒かで職場を区分しようとするなどは、なんら根拠のない差別でしかないだろう。

伊豆新聞に連載中 その580 (2020年8月19日掲載)


今は写真で楽しむ海の生き物(2013年5月撮影)


第29回 嬉し恐ろし初体験
第28回 趣味はカネ儲け?
第27回 『雨』を歌えば
第26回 ツッパルことが男の……
第25回 連日の雨に
第24回 ひしひしと不確実性の時代
第23回 野球オンチなので
第22回 トランプ的思い上がり?
第21回 ウグイスはなんと鳴く?
第20回 昔「広告屋」今アドマン
第19回 ステキなステッキ
第18回 みいんなマスク
第17回 ただいま!雑記復活!
第16回 みなさんご無事で!!!
第15回 DT方式?!
第14回 ウイルスと風俗
第13回 私の問題・社会の問題
第12回 ワラビとカンゾウ
第11回 ウイルスまくひとカネまくひと
第10回 新型コロナウイルスお目見え!
第9回 新型コロナウイルスで流行る自粛
第8回 カードの脅迫
第7回 「仮釈放」の友
第6回 子抱き地蔵
第5回 マスクが消えた?!
第4回 確率論的津波評価、なぜ?
第3回 「次世代」なるもの
第2回 道玄坂の日の丸 
第1回 新年につきごあいさつをば

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