チナついに300回記念企画です! 
サコほんに、よくまぁ続いたものです。
チナ:ええっと、だいたい月に2回でしょ、年にして24回、ってことは・・・ううっ、もう12年半ぐらいやってるわけ!?
サコ:そうですね。いま確認したら、2004年9月から始めていますから、今年の9月で13年めに突入です。
チナ:感涙ものだ。サコちゃん、それに裏方ミキちゃんのおかげ。死ぬまでやるぞおおおお!
サコ:お〜〜〜、命ある限り、ボケない限り、ついて行きまぁ〜す!

 ところで、前回のサザエの新聞記事、私も読んでいました。1848年といえば江戸時代ですから、現代からみれば事実誤認があっても当たり前のような話ですが、それが今頃やっと訂正されたというのが少しビックリ。サザエの研究者ってあまりいないってことでしょうか。
 ま、学問の世界では、わかっているようで実はよくわかっていないことが、けっこうありますからね。考古学でも、たとえば学校の歴史教科書をみると、「本当にそう断言できるのかな」とか「それは、ずいぶん昔の説なんだけどな」というような説明があったりします。
チナ:え?それは聞き捨てならない。教科書作りに考古学者は関わっていないの?
サコ:中学校や高校の教科書の中には考古学者が関わっているものもありますが、小学校の教科書の執筆者のなかに考古学者はいないと思います。10年ほど前の小学校の教科書では、古墳時代の章に弥生時代の銅鐸作りのイラストや奈良時代の土器の写真が載っていたりして、ビックリ仰天しました。
チナ:そりゃ、ひどい。それでも検定に通ったんだね。
サコ:教科書の検定委員にも、考古学がわかる人がいないってことでしょうね。
チナ:考古学、ずいぶん軽くあしらわれてるのね。
サコ:毎年膨大な発掘調査があって、日進月歩で研究が進んでいるのですが、その成果はなかなか反映してもらえないですね。本当は、中世も江戸時代も近代も、考古学の発掘成果をとりあげてもらえたら楽しいと思うのに、考古学の出番は古墳時代までですもん。
チナ:たしかに。だからわれら一般人の認識も、考古学というとサムライはいない時代を掘り出すこと、みたいな。ほんとは繋がってるのにね。

サコ:そうなんですよ。それどころか、1998年の学習指導要領改訂で旧石器・縄文時代は扱わなくていいとされて、2002年からの小学校の歴史教科書は、いきなり稲刈りのイラストで始まったんですよ。
チナ:えええつ、なんでそんなことになったの? ううむ、旧石器発掘ねつ造事件が影響したとか?
サコ:う〜ん、多少は影響しているかもしれませんが、それよりも、お国の歴史を教えておけばいいって感じです。
チナ:ははあん、なるほど。ここにも国家主義が出てきているのだな。弥生時代からなら、王が登場したり、中国と外交したりするから、クニの芽生えってことなんだね。それにしても、歴史を途中から教えるって、変だね〜。
サコ: 変です!で、私が日本考古学協会の理事だった時に、この教科書改訂について小学校教員の会員から「学会として看過してていいのか」という問題提起があって、社会科歴史教科書等検討委員会が発足したんです。で、私もそのメンバーになって、教科書をみることができたんですね。
チナ:小学校の教科書なんて、なかなか見る機会がなかなかないもんね。
サコ:そうなんです。で、ショックでした。子ども達が初めて歴史を勉強するという時に、教科書が稲刈りから始まっていたら、稲作文化圏外の北海道や沖縄の子ども達は、どんな心地がするでしょう?東北・関東地方や南九州の子ども達だって、弥生遺跡は少ないけれど縄文遺跡はとても豊富ですから、教科書に縄文時代が載っていなければガッカリするでしょう。そう思ったら、キーンと胸が痛くなった。そんな教科書はアカンですよ、絶対。
チナ:いいぞ、サコに火がついた!

サコ:そういう学校教育の実態を自分が知らなかったということも、ショックでした。どんな学問でも、研究成果をきちんと学校教育に反映させるのは、研究者の社会的責務です。それを私たちは放ったらかしにしていた。「知らなかった」では、済まないですもんね。
チナ:さすがおんな組古代史班! で、小学校の歴史教科書はどうなった?
サコ:日本考古学協会も声明文をだしたり、教科書委員会から文科省や教科書会社に再三、改善の要望や提案を提出したりしたのが功を奏したのか、2009年の学習指導要領で縄文時代は復活しました。でも、旧石器時代はいまだに扱われていません。だから、いまでも旧石器時代の記述を復活させるように、働きかけは続けています。
チナ:うん、旧石器時代といえば、先日の石垣島の人骨の発掘もそうだけど、この日本列島にどんなふうに人間が住み始めたのかっていう、とても大事なところだよね。
サコ:そうなんです。なのに、これほど無視されているのは、旧石器時代を学ぶことの大切さを、われわれがしっかり伝えきれていないということだと思います。
チナ:それにたいていの子どもはクニの成り立ちなんかより、まず大昔のひとたちがどうやってココに暮らし始めたか、という話に興味があるとと思うよ。私がそうだもん(笑)
サコ:でしょ!? だからもう、教科書の改訂は時間がかかるので、自分でWEbサイト「子ども考古学教室」を作って、子ども達に直接伝えようと思って、いま準備中です。
チナ:おお、それはいいね。子どもは大昔の話、好きだから、ぜったい喜ばれるよ。

サコ:ところが、いざ作ろうとして、ハタと止まっているんです。
チナ:そりゃまたどうして?
サコ:わかっているようで、わからないことが、山ほどあるんです。子ども達にどう説明すればいいやらと、頭を抱える場面が続出なんです。
チナ:おおお、長年コーコガクやってきたのに、いまさら何を言う??
サコ:ですよね。
チナ:どんなことが、わかっているようでわかっていないのか、興味あるな〜。
サコ:うむむ、ではその話は次回に。

(次回に続く)