第257回 ゲーム選挙で民主主義ズタズタ!

中山千夏(在日伊豆半島人)

選挙ねえ!
自分がかかわった選挙そのものの結果もさりながら、なあにこの全国的な有権者の無気力!
ずっと下降してきた投票率だけど、今回は最悪だった。原発、戦争法案、と大問題があるというのに、いったいどういうこと?!

日本の民主主義選挙はもう死んでる、どうにかしなきゃ、と青くなってるとこ。

大きなよく見える問題は、組織選挙ね。
ゲーム選挙と言ってもいい。
ゲームだから勝ちさえすればいい。
勝てるだけの有権者数を効率よく確実にゲットする。
ボスの言うままに投票する会社員、組合員、信者、自治会員などなどを、自分(自党)の支持者として組織する。そして、投票日に合わせて組織の有権者を移住(寄留)させるという奇策さえ、マジメに行ない、あの手この手で組織に投票させる。。
組織を作るに際して、最も効率的な力となるのが、利権。
政策が組織作りに活用されることは、まずない。効率があまりに悪いからだ。

なので組織選挙は、(すでに利権を握っている)現職や政権党に圧倒的に有利、チャレンジャーには不利。
だから組織選挙は、政治を刷新するには非常にマズイ。刷新したくない有権者の意向で刷新されないのではなく、選挙の性格から刷新が難しいのでマズイのだ。
にもかかわらず、刷新したいチャレンジャーのがわも、勝たねばの一心でゲーム選挙に流されているのが現状ね。

また組織選挙は、組織外の有権者を蚊帳の外状態に置く。蚊帳の外の者には、政策はおろか、利権すら届かない間に、選挙は終わる。他人ごとではない、と思うには、よほど抽象的な思考力が必要だろう。投票をネグルのに、罪悪感などまず浮かぶまい。

さらに、組織選挙は投票率低下の直接的な元凶でもある。ゲーム選挙の参加者、特に現職や政権党にとっては、基本的な投票数は少なければ少ない方がいい。投票数の過半数さえ組織すれば勝てるのだから、分母は少ない方がいい。みんなが選挙に希望と興味を失って、チャレンジャーが現れず、無投票になればもっといい。
つまり、彼らに任せておいたら、低投票率で現職や現政権が維持されるという問題の解決は、決してない、ということだ。
なにしろ違憲判決の出た一票の格差さえ、放置する彼らなのだから。

ごくごく低投票率の地域(伊東もそうだった)が大半、無投票も少なくなかった今回の地方選挙。これはもう、一般人の意見など無視の独裁政治状態ではないか!

ま、嘆いていても仕方ないから、なにかやろうと思って。
ゲーム選挙やってるひとたちはもう、勝手にしろ、と。ただ、蚊帳の外状況に置かれている有権者に、ゲームではないほんとうの選挙の大切さ、選挙権の重さを伝えることを、やってみようかと思って。有権者の側から、組織選挙を解体するしかないものね。

そうそう、選挙といえば、今年スペインでは、創造的な政策を掲げたリベラル政党「ポデモス」が、結党からたった10ヶ月でEU議会に多く議席を獲得し、今秋にはスペインの政権をとりそうなんですって。
実現したらまさに選挙で政府を大刷新することになる。
やっぱりヨーロッパは民主主義の先進国だなあ。
ヨーロッパでは大ニュースなのになぜか日本のマスコミは取り上げていないけど。

日本のマスコミと言えば、原発事故なんかもう無いみたい。海外のジャーナリストたちはこんな会見を開いているのに。日本国民はよくよく蚊帳の外だね〜。

https://www.youtube.com/watch?v=DrLFNQpsv_g