第213回 ■わくわく■

中山千夏(在日伊豆半島人)

わああ、三内丸山にもすごい復元建造物ができたのね!
私が二十年くらい前に青森で見たのは、石だけがまあるく並んでいる遺跡だったけど、あれは、三内丸山じゃなかったのかな。
わかった!
小牧野遺跡だった。
日本のストーンサークルだというので有名になった遺跡。
「土地の者は、昔から、ここに古いもの埋まってるの、知ってたけどな」
浜田さん、そう言ってたな。

かっぺいさんもよく知っている、青森の陶芸家、故・浜田喜四郎さんに連れてってもらった。
「三内丸山の近くで、おもしろい遺跡があるから」って。
若いころから遺跡や遺物に興味があった浜田さんによると、このへんには有名じゃなくても、すごい遺跡がたくさんあって、鏃ごときはどこでもごろごろ出る、地元の者はよく知っていて採りにいく、でも「大学の先生には教えないの。みいんな持っていってしまうんだもの」と言ってた、ははははは。

実に質実剛健、美しい謙虚な生き方で、それが少しも力みなくて、へんに悟りもなくて、最高の人間だったよ。
焼き物、たくさんもらって愛用しているけれど、ひとつも銘がない。民芸に徹していたから。そこは師匠の益子焼き元祖、浜田庄司さんよりエライと思うなあ。値段も高くなかったし。
だからって、決してひとのやりかたを批判したりしなかった。好き嫌いははっきりしていたけどね。
浜田さんと愛妻の青森弁、もう一度聞きたいよぉ。

それはともかく、伊奈かっぺい。

青森でかっぺいさんと対談した時に、縄文遺跡の偉大さを私がたたえたら、かっぺいさん、
「古代には青森、すごかった、とあんまり話されると、なんか不安になるですよ。エジプトでもなんでも、古代に栄えた、という場所は、たいてい今、落ちぶれているでしょ?」
大笑い。ほんと、おっかしいひとだよね、かっぺいさん。でもタダモノではない。サラリーマンと芸人を両立させるなんてね!

確か三内丸山にも、環状に石を並べた遺跡があったよね。
そういえばストーンサークルで有名なのは、イギリス。最大のストーンヘンジは立体的で独特だけれど、湖水地方のスウェインサイド・サークルなんてのは、青森のとよく似てるよね! 写真でしか見たことないですが。
サコちゃんが見てきたアイルランドの古墳といい、この地域と古代日本列島とは、何かご縁があったんでしょうかね………

先日は、ふと見たテレビの一場面が、北極圏に住む少数民族の民族舞踊を映していました。
名前は忘れたけれど、白人系ではなくて、イヌイットのようなインディアン系のひとたち。
その踊り手の衣装の模様が、アイヌの幾何学模様とそっくりだったもんで、びっくりしました。
こういうのって、なんだか胸が踊るね!!