第154回 ■種子島と宇宙と考古学■

佐古和枝(在日山陰人)

執事喫茶?知らなかったので、さっそく私もネットで学習しました(^_^;) なるほど・・・。えらそ〜な執事たちが若い娘たちを超お姫様扱いしてくれるんですね。これって、若い女性向けの廉価版ホスト・クラブってところでしょうか。
男は女を従えるご主人さまになりたがり、女は男にかしづかれるお姫さまになりたがる。またその一方で、妙に女の子っぽい男子が増えているように思います。「男の娘(こ)」と言うのだと、学生から教わりました。その元祖のような弥生人がいたことを、先日種子島で知りました。

種子島の最南端、鉄砲伝来の地でもある南種子町の文化財担当者、私の大学の後輩の石堂和博くんから、子どものワークショップをして欲しいという依頼がありました。南種子町には、広田遺跡という弥生時代の終わり頃から古墳時代にかけての有名な国史跡があります。この遺跡は、海岸砂丘にある墓地で157体の人骨と、総数44000個もの貝製品が出土しました。貝製品には、沖縄周辺にしかいない南海産の貝を素材にしたものもあり、黒潮にのって往来した古代の人々のダイナミックな活動ぶりがうかがえます。

広田遺跡(提供:南種子町教育委員会)

この墓地で、ものすご〜くたくさんの貝の装身具をまとった男性がいました。基本的に、女性の方が豊富な装身具をつけているのですが、彼の装身具はなんと1万箇以上でダントツ1位。サンゴ石で囲まれて丁寧に葬られていたことや、骨盤は男性なのに骨格が女性とみまがうほど華奢であることから、昭和30年代前半に発掘調査をなさった金関丈夫氏は、男性と女性の両方の性をもつシャーマン=「双性の巫」と表現されています。つまり、元祖「男の娘」(^_^;)

広田の男の娘(提供:南種子町教育委員会)

もっとも最近の調査・研究により、彼が身につけていた装身具は、女性専用のものというわけではないようです。ただ、アクサセリーをジャラジャラつけてる男子学生を見慣れているせいか、テンコモリの装身具で着飾っているというだけで「女装」と言えるのかなぁと、サコは一瞬思いました。しかし石堂くんによると、それでもやはり女性が身につけることの多い装身具であり、しかも彼は、女の子が好んでつけた貝の装身具を、他のどの女性よりも圧倒的にた〜くさん着飾っているので、「男の娘」であった可能性はかなり高いとのことでした。納得!

広田貝製品重文用集合(提供:南種子町教育委員会)

種子島の古代人たちの暮らしぶりってのが、おもしろいんですよ。アオブダイをよく食べているそうです。アオブダイ、千夏さんはご存知ですよね。夜はサンゴ礁の岩陰で、口から粘膜をだして作った“寝袋”のなかで眠っている。だから、素手でも簡単に捕れるのだと、地元の漁師さん。サンゴ礁の豊富な奄美大島の方が盛んだそうです。広田の人達も、これを食べていました。アオブダイばっかりというほど食べていたのは、同町にある縄文晩期の一陣長崎鼻遺跡の人達。美味しい魚や貝が身近にあっても、「捕るのが面倒くさいから、アオブダイでいいや」って感じでノンビリ暮らしていたのだと、石堂くんが愉快な説明をしてくれました。確かに種子島では、いまでもゆったり時が流れているようでした。でもネットで調べてみたら、アオブダイって、時に猛毒をもっていることがあるそうです。大丈夫だったのかなぁ。

今回の南種子町でのワークショップのテーマは、なんと「宇宙と考古学」。南種子町には宇宙開発センターがあって、広田遺跡もそのすぐ近くにあります。その宇宙開発センターとのコラボでやろうという、まさに南種子町ならではの企画です。
とはいえ、「何をしたらエエんやろ?」と、サコは近年稀にみるほど必死こいて考えました。宇宙開発センターや南種子町のみなさんもいろいろアイデアを出してくださって、結果は上々(^O^)/ 手前味噌ながら、とても面白く感動的なワークショップができました。
千夏さんなら、「宇宙と考古学」って、どんな話が思い浮かびますか?千夏さんは、種子島で潜ったことがありますか?来年のテーマは「宇宙と海と考古学」、海に潜れば宇宙がわかる!のだそうです。千夏さんも、来年は種子島の海で宇宙と遭遇しに行きませんか!(^^)! 
ってことで、今年はこれでオシマイです。みなさん、良いお年を!


宇宙科学技術館


ロケット打ち上げ台