第95回 ■出雲〜広島、夏の旅■

中山千夏(在日伊豆半島人)

サコせんせ、お世話になりました〜。
8月4日、出雲集合!
目玉は、60年に一度の出雲大社遷宮にちなんでの、本殿拝見。遷宮の間、神様が仮住まいに引っ越しておられるので、その間、普段は一般人は見ることができない神様のお部屋を公開しているのですね。
いや〜、誘っていただいて本当にありがとう。神話や歴史について、また考えるタネをたくさん拾いました。わくわく(^o^)

翌5日に案内してもらった、小豆原(あずきはら)埋没林もすごかった。3500年前に三瓶山の噴火で埋まった木々が、森の姿のままに発掘、保存されている。スギやケヤキの、とてつもない大木の枝が重なり合うさま、ありありと想像されて、時の雄大をたっぷり味わいました。神社とはまた違った意味で、人を神妙にさせる風景でした。こういう公共事業、大事です。大阪府知事ならイランと言うだろうけど。島根県、エライ。

出雲の駅前でサコちゃんと別れ、定期バス、スーパーミコト号に乗り込んだ私、快調快適に突っ走り、3時間ほどで広島に着きました。
出雲大社周辺も異常な人出でしたが、広島も大変な混雑。なにしろ原爆記念日前日だからね。

翌6日、永六輔さん、矢崎泰久さん、そしてピアニストの佐藤允彦さんと共に原水禁大会に参加。今年亡くなった親友、広島出身のイラストレーター山下勇三さん、その反原爆の願いと、彼が作詞した「広島の川」の紹介、無事果たして、昨夜(6日夜)、帰宅しました。

60年に一度の伝統神事・・・3500年前に焼けた森・・・原爆・・・私自身の還暦・・・そして出雲駅前で受けた母の訃報・・・ひとは、私はどう生きるべきか・・・そんな思考をあざ笑うかのように、豊かな緑を破ってそこここに林立する風力発電用風車の、悲しくも滑稽な姿がありました。
ううむ、これは私の人生のなかで、一番印象深い夏になるかもしれません。

これから母を送りにゆきます!