第94回 ■縄文オトコの花道・土器返し■

佐古和枝(在日山陰人)

なるほど。。
今朝の新聞におもしろい記事がありました。チンパンジーの世界で、オス同士が対立してる時、そこに強いメスが登場すると、喧嘩していたオス同士が結託して、強いメスを牽制し始めるんだって。ハシモト支持に年配の男性が多いのも、これかなって思いました。強いメスって、もしかして前知事?(^_^;) というより、千夏さんの言うように、フェミニズム時代にたまってた男性の鬱屈が爆発してるんでしょうね。でも、だからって弱いメスや子供をイジメるなんて、そりゃ〜八つ当たりってもんですよ。チンパンジーより始末が悪い。
オンナは卓袱台返しをしない。腕力では負けるから、言葉で戦う・・・だけじゃなく、卓袱台の上に並んでる自分の作った料理がもったいない(^_^;)オンナには、咄嗟にそういう現実的な計算が働くような気がします。リクツではなく本能的に、日常生活に根っこがはえているというか、一か八かのバクチより日々の生活の保守安泰を考えるというか。ハシモト君に女性が警戒心を抱くのも、そういうことかなと思います。

第2回めのコラムにもちょこっと書きましたが、オトコは狩りに、オンナは森で植物採集というのが、世界の多くの狩猟採集民のスタイルであり、おそらく縄文時代もそうだったと思われます。狩りは当たりはずれが多いから、お母さんが毎日の食べ物を確保する。一か八かのご馳走より日々の安定が大切だと身にしみてるんでしょう。子供たちは、お母さんの仕事ぶりは毎日そばで見てるけど、遠くに出かけてしばしば手ブラで帰ってくるお父さんは、「いったい外で何をしてるの?」と思ってしまう。だから、たまにご馳走を手に入れたら、「ほ〜れ見ろ!お父さんだってエライんだ」って言わないと、子供たちから尊敬されないんだって、同僚の文化人類学者の先生が言ってました。

おまけに狩りは、息をひそめて静かにやらなきゃいけない。一方、キノコ採りやドングリ拾いは、世間話をしながらワイワイできる。で、留守をしている間、お母さんはおしゃべりにメキメキと磨きがかかってる。お母さんと一緒にいる時間が圧倒的に長い子供たちは、お母さんになついてる。ええい、うるさい!と、お父さんはご馳走の煮えてる土器をひっくりかえす。
うむむ〜、オトコの花道と卓袱台返しには、縄文以来の長い歴史があるのかも…


夕餉(絵:さかいひろこ)