あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第84回

■マンバ様、どないしょう?■

佐古和枝(在日山陰人)

オトコとオンナの関係に限らず、歴史をふりかえると、人類社会には実にさまざまな価値観があるんだってこと、目の当たりにしますよね。で、現代の価値観から解放され、「私たちの心は、もっと自由になる!」(と、千夏さんに教えてもらった)これぞ、歴史を学ぶ意味だと思います。

17日にNHK教育で、鳥取県青谷上寺地遺跡(弥生時代)の木製品に、3人の木工関係の人間国宝さんが挑戦!弥生時代の道具で同じものを作るという番組がありました。2000年前の人々の技術の高さやこだわり、発想の豊かさ、人間国宝さん達は感動し、作品を作り終えた後、「たくさんのことを教えてもらって、感謝してる」とおっしゃっていました。遺跡や出土品は、考古学が専門ではない人達にとっても大切なんだと、人間国宝さん達がお墨付きをくれたってことですよね。だから、子孫たちのためにも、大切に守っていかなきゃいけないんだ!
なのに、いまの大阪府(>_<)あの新知事は「セイフティネットと中央図書館以外の府立施設は不要!」と、81の府立施設に対して民営化または廃止の検討を進めるという。で、7月末までは人件費しか出さない。だから、2つの歴史系の著名な府立博物館では、4月から開催予定の特別展、すでにあちこちから出土品を借りる契約も済ませ、ポスターも刷り上がっているのに、中止せざるを得ない状況。博物館が常設展示しかできないようでは開店休業、ほんとにタダの箱になってしまいます。同じような事態が、他の府立施設でも起きているはず。府の施設に関わっている中小企業も大打撃でしょう。

まぁ大阪府は破産宣告受けた会社みたいなものだから、仕方ない面もあるかもしれないけれど、こういう時、「なくても生活に困らない」とか「金はかかるが、儲からない」と、真っ先に切り捨てられるのが文化とか文化財です。実際、新知事は選挙運動中から「いまの大阪府は、文化財とか文化ホールとか、言ってる場合じゃないんです!」とテレビで叫んでおりましたからね(^_^;)。
でも、文化って、衣食足りた後のオマケみたいなものですか?そうじゃない!文化ってのは、疲れた心を潤してくれるもの。歴史は、心を自由にしてくれるもの。そんな世界に触れることで、日々のつらさも癒されて、「あ〜、生きてるって、いいなぁ」とか「また、がんばろう!」とかいう気持が湧いてくる。そんな世界をいっさい捨ててしまったら、心が枯死し、人類社会はますます狂ってしまうような気がします。

地域の文化や歴史遺産は、金儲けにならなくてもみんなにとって必要なものだからこそ、行政が守ってきたはず。あぁ、それなのに、それなのに、世の中すべて、公共性を担保してくれるはずの行政までもが、カネカネカネ・・・です。この大阪府の大噴火が飛び火して、あちこちの自治体も同じようなことを言い出すのではないかと危惧します。
千夏さんの著書『カネを乗りこえる』のマンバ様〜!私たちは、どういう心づもりで、この局面に向き合えばいいのでしょうか?なにか良い智恵があれば、教えてください。

「さまよう土偶」(絵:さかいひろこ)