あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第74回

■ただいま〜!■

佐古和枝(在日山陰人)

えへへ、韓国ツアーがどうだったかって? よくぞ聞いてくださいました。妻木晩田遺跡の保存が決まった年に始めた毎月1度の市民講座「むきばんだやよい塾」は、今年で8期になります。この塾の修学旅行で韓国に行くことになったきっかけは、千夏さんが「すっげぇハンサム」と記憶する釜山大学の申敬_(シン・ギョンチョル)先生です。先生は、保存問題で揉めていた妻木晩田遺跡を訪れ、「この遺跡は、韓国の古代史にとっても大切な遺跡です!」と日本のマスコミの前で訴えてくださり、さらに700名もの韓国研究者の保存要望署名を集めてくださったのです。それで、感謝をこめて、釜山大学を表敬訪問しようっていうことが始まりでした。

今年は3回目の修学旅行。ソウル、江原道の春川・洪川、京畿道の龍仁・水原と、遺跡や博物館をかけめぐってきました。うちのツアーの自慢は、行く先々で友人の韓国の考古学者がとても親切に迎えてくれることです。遺跡や出土品を説明してくれるのは勿論のこと、休館日でも博物館を開けてくれたり、なかなか一般人は入れない発掘現場の中にまで入らせてくれたりなど、VIP待遇してくれます。韓国の旅行社のガイドさんが「長らくガイドをしているけれど、こんなに特別待遇の贅沢な旅は初めてです。みなさんは、とても幸せです」と驚いていました (^・^)

おまけに、行く先々の町で地元の研究者達にお薦めのレストランを予約してもらっているので、とにかく食事が毎回、超美味しい!!

妻木晩田遺跡を含め、山陰の古代を学ぶには、どうしても朝鮮半島のことを知っておかねばなりません。一方、韓国側は発掘技術や保存技術を日本に学んでいます。だから、お互いに行き来は頻繁で、仲良しなんです。修学旅行は、朝鮮半島の遺跡を学ぶことと同時に、考古学の世界では、日本と韓国の研究者はこんなに仲良しなのだということを、うちの仲間達に見て欲しいという狙いもあります。だって、考古学をやっていると、国家とか国境、国籍なんかなかった大昔から、朝鮮半島と日本列島は深い繋がりがあることが当たり前だとわかっているから、いまのおつきあいの仕方だって、そうなりますよね。
ちょっと心苦しいのは、韓国側の研究者の多くが日本語を上手に話してくれるのに日本側が甘えていること。サコも、少しはハングルが出来るようになろうと、努力だけはしてるんですけどね。
ともあれ、妻木晩田が日韓交流の架け橋になって欲しいというのがサコの願いです。次回は、千夏さんも一緒に行きませんか?

国立中央博物館前