あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第58回

■自然と遺跡と人間と■

佐古和枝(在日山陰人)

あら、ウラジロですか。妻木晩田遺跡にたくさん生えてるから、来年のお正月には送りましょうか (^_^;)
野草の写真を撮ったり、素敵な草のデッサンのできる千夏さんを羨ましく眺めるだけだった植物オンチのサコも、いまはチト違いますぞ。一昨年の春から、毎月一度、妻木晩田遺跡の植物観察をする「むきばんだを歩く会」を始めています。山の上にあり、森に囲まれていることは、この遺跡の大きな魅力。これを活かさずば、なんとする!
毎回写真を撮って、「むきばんだ花だより」を発行し、「いま妻木晩田には、こんな花が咲いてますよ〜」という情報発信をしています。ほぼ2年近くで、撮影した植物は180種類を越えました。
昨年後半は、手作りで植物の解説板を40枚ほど設置しました。遺跡の植物だから、「この実は食べられます」とか「この枝で斧の柄などを作りました」など、人との関わりのコメントをつけました。
昨年末には、ついに念願の「むきばんだ植物カレンダー」が完成し、目下あちこちで販売中!これが、なかなか好評なのであります。
遺跡のまわりに食べられる植物がけっこう多いことや、植物にさまざまな利用方法があることなどを知り、むきばんだムラの生活のイメージがぐっと膨らみました。
考古学は、人間が自然とどうむきあい、どうつきあってきたかを確かめていく、みたいな仕事です。いろんなことが機械でできるようになったのは、長い長い人類の歴史のなかでは、つい最近のことですもんね。
その人類の歴史も、シダに比べりゃ、一瞬というほどの長さでしかない。「地球に優しい」とか「自然との共生」なんて、おこがましい!
おっと新年そうそう、いきまいてどうする?(^_^;) 今回のタイトルは、妻木晩田遺跡の保存運動を始めた時の私達の会の名前「自然と遺跡と人間を考える会」から。その発足を後押ししに登場してくれたのが千夏さん。その原点を「むきばんだを歩く会」で実践していますっていう報告でした!

 ウラジロ at 妻木晩田遺跡