あんなこんなそんなおんな・・・・・昔昔のその昔 第47回

■ふれ〜ふれ〜うちら〜!!■

中山千夏(在日伊豆半島人)

私がウーマンリブになったのは、1970年代初頭のこと。その時、ダッシュした勢いで、今日まで「性差別ゆるさん〜あらゆる差別ゆるさん〜」と突っ走ってきてるのですが・・・。
最近、つくづく思う。初めにダッシュした時、性差別がこれほど根深い問題だとは、ちゃんと認識していなかったね。東洋の非近代的な封建思想を打破すればいい、くらいの認識だったと思うよ。こんなにオオゴトだとわかっていたら、呆然としちゃって走り出さなかったかも、ははははは。

フェミニズムの研究によると、国家の成り立ちそのものが、戦争を目的としており、従って男主体の性差別を土台にしていたそうだ。
なるほど、民主主義の老舗だと言われている古代ギリシャの都市国家だって、市民権を持っているのは男だけ、女と奴隷は埒外だった。つまり、民主主義国家というものの民に、女は含まれていないのが基本だったわけね。東洋の封建思想どころか、世界的規模で、古代国家発生と同時に性差別はあったわけだ。ふうぅぅぅぅぅ。

ただ、後発の弱小国家ほど、差別もがっちりできあがっていなかったはずで、倭国などはその好例だったんじゃないかしらね。卑弥呼や一与(卑弥呼のあとを継いだという女の子)だけでなく、古事記や風土記に、首長なみ、大王なみの女たちがたくさん見えるので、よけいそう思う。
嬉しくてそこを喧伝しているけれど、でも、国家が形成されていたとすれば、もう卑弥呼の時代から性差別はあった。

そして、性差別とはっきり女が戦い始めたのは、第1次世界大戦後でしょ? なんて新しい話なんでしょ!
それまでの差別の歴史の長さを思うと唖然とするけれど、でも、なんか力がこみあげてもくるんだ。おおお、ついにうちら、立ち上がったんだ〜、もう後ろへは戻らないぞ〜、ふれ〜ふれ〜、うちら〜ってね。うふふ。